2018年2月14日水曜日

千年チェア


 
 
マイナーチェンジしたHPの表紙に使っている写真。

「嵯峨野別墅(べっしょ)」のインテリア写真ですが、
ギャラリーの繊細な縦格子越しに見える黒い背もたれのソファ、
それが「千年チェア」。徳永家具工房の徳永順男さんの代表作です。

7~8年前だったか、徳永さんが京都で個展を開催された時に初めて見て、
その存在感と迫力に圧倒され、いつかどこかで使ってみたいと思ったソファです。

「嵯峨野別墅」の施主は当初この椅子も含め、「欅」を使う家具に難色を示していました。
あまり良い欅を見たことが無かったので、とても印象が悪いという理由だったのですが、
思い切って徳永さんの吉川の工房を一度見に行かないかと誘ってみました。
彼の工房は欅を使った家具が多いので、見てもらってダメだったら、
木の家具を「嵯峨野別墅」に使うことはあきらめようと思っていました。

本当は彼の家具をあちらこちらにレイアウトすることで、
インテリアを完成させるように建築の内装をデザインしてあったのですが。

クライアントは工房に一歩足を踏み入れた瞬間、欅の大ファンになってしまいました。
その場でダイニングテーブルや椅子などをオーダーされ、
まずはその出来栄えを確認してみることにしたのです。

数か月後完成し、運び込まれた家具を見て、クライアントご夫妻は大変感激され
この木の持つ温もりに惚れこまれました。

そして、とうとうリビングに置くソファ「千年チェ」をオーダーしてくださったのです。
そのソファも昨年暮れに納めましたが、それでもまだ色々と欲しいということで、
現在はソファに合わせる座面の低い椅子たちに加え、
新たに徳永さんと私でデザインを考えた数竿のチェスト類などを制作中です。

この嵯峨野別墅は春の桜、秋の紅葉を楽しむための住まいですが、
その季節になるとご友人たちをお迎えするゲストハウスのような役割を担います。

これから先、この空間を楽しんで頂く事で、京都嵯峨野の素晴らしさを
新たに発見頂けたらと心から願っております。


「十和田石を敷き込んだギャラリー越しに見る千年チェア。
細い桟だけで構成した障子。摺り上げ障子になっています。
障子戸の和紙は沖縄の月桃を漉いた「月桃紙」
素朴な風合いで麻すさを練り込んだ京壁によく合います。」



















独特の存在感に満ちた「千年チェア」
アーム部分は欅、背もたれは檜を芯に黒革を巻いてます。
座面は鉄染した栗の一枚板。
ティーテーブルも欅ですが、「カンナフィニッシュ」仕上げにしてあり
周辺がうっすらと曲面して盛り上がり、置いたモノが転げ落ちないようになってます。




2018年1月31日水曜日

「和」のかたち




「嵯峨野別墅」のお住まいから数百メートル離れた、ご友人のお宅。

庭には桜の古木が枝を広げ、竹林の向こうには嵐山を望みます。



























リノベーションプランを考えてプレゼンテーションするように依頼されています。

期限は桜が満開になるまで。。。。

昨年10月下見に伺ってから、あれこれと悩んでいます。
一度プランを完成させたのですが、何だか納得がいかず、
白紙に戻して再思考。

自由にプレゼンしてくださいと言われているだけに、
納得がいかないものは当然提出出来ません。

同じ和のテイストでありながら「嵯峨野別墅」のインテリアデザインとは
異なるデザインにしなければ、それぞれのクライアントに申し訳がない。

そんな事を考えながら、時間だけが過ぎていきます。

他にもこの場所から1キロも離れていない場所で、
別の大規模プロジェクトが進行しています。

全てが和テイストであることから、しっかりしたコンセプトを構築する必要があります。
その考え方に基づいて、ブレないように基本デザインを進めていく。

気を引き締め、
それぞれのクライアントに喜んで頂ける内容にしなければなりません。。が、
あと二人分身と時間が欲しい。


2018年1月12日金曜日

美しい住まいをデザインするツール




イタリア製のキッチンや家具を使った
戸建て住宅の大規模なリノベーションを進めています。

以前設計監理を担当したクライアント様のご紹介です。

大幅な改装となるため、現状の空間の痕跡は無くなってしまいますが
元々生活空間ではないスペース(といってもかなり広い空間です。)を
使っての大胆な改装です。

設計にはかなり時間をかけて打合せを重ねてきましたので、
コンピューターグラフィックスで作り上げる完成予想図は
写真のようなリアル感があります。

このようなCGを使って設計を進めていくのが
私どものアトリエの特徴です。
無論模型も作りますが、
リノベーションの場合はCGの方がよりわかりやすいようです。

これは完成CGではなく、これを元に細部を打合せして
より一層満足のいくデザインに仕上げていきます。













ソファはMinotti社のもです。













スタジオ クランツォは日々進化しています。







2018年1月6日土曜日

新たな飛躍



新年明けましておめでとうございます。

アトリエは昨年色々なことがあった1年でしたが、
静かに新しい年を迎えることが出来ました。

今年はスタジオクランツォにとって
大きな変化が生まれる年になるかもしれません。

ただ、自分からあれこれ動くのではなく、
流れに身を任せてみようと思っております。

自分なりに色々な経験も積んできました。
若い頃は積極的に動いて道を切り開くことが
生き甲斐でもあり、それなりに達成感もありました。

年齢を重ねていくうちに、調和ということを考えるようになり、
自分が前に出るのではなく、後ろで控える方が、
上手くいくことはたくさんあると思うようになりました。
それは年齢的な経験値から導いた答えかも知れません。

アトリエは一昨年辺りから、海外との交流が増えてきました。
中国本土に足を踏み入れ、その土地の方とも色々と話をしたり
勢いのある建築の現場を見せて頂く機会もありました。

そんな中で海外クライアントの仕事をさせて頂き、
少しずつ私に何が必要なのか見えてきました。

今年は焦りはしませんが、ゆっくりと構え
もう少し広い世界に飛び出したいと思っております。

新しい変化が生まれるようでしたら、
随時ご報告させて頂きますので
何卒、スタジオクランツォを温かく見守って下さいますよう
宜しくお願い申し上げます。

中国の若い仲間達。江蘇省蘇州市「張家港」にて。













2017年12月4日月曜日

光を捕まえる。



昨年から進めている幾つかのプロジェクトは徐々に着工していますが、
一番遅れていたこの南紀のプロジェクトがやっと動き出しました。
現在は準備工事中で、インフラ整備、敷地地均しなどが進んでいます。
基礎工事は新春早々でしょうか。。。。

時間がかかった理由の一つはクライアントのこだわりです。

とても研究熱心で、理想を追い求め、簡単には妥協されません。
お互いにあれこれ考えるうちに時間はどんどん過ぎていきました。

でもまったく焦っていらっしゃらなかったので、
納得のいくプランを作るため、時間をかけ少しずつ、形を整えていきました。
特に光と陰影については並々ならぬこだわりをお持ちでした。
如何に美しい光を捕まえるか。。。。これがテーマです。

年齢的には私よりも先輩なのですが、集中力は半端ないです。

敷地も広いので(6000㎡ほど)時間をあけて何棟か建てたいというご希望もあり、
並行して全体構想をまとめていく作業もあります。
でも敷地の環境が素晴らしいので楽しい時間でもあります。





















































模型の全体像はまだ公表したくないので、
建物を貫通する空間だけを掲載しましたが、
写真でもわかるように本当に美しい湾、海岸などの
風景が点在しています。
海岸線も敷地内なので、この海はプライベートビーチのようなもの。

うらやましい限りです。

2017年11月12日日曜日

守口プライマリーワン



投稿が少し遅くなりましたが、守口市で新たな賃貸集合住宅の工事がスタートしました。

計画地近くには「文禄堤」という大阪の長柄橋あたりから枚方近辺まで、
豊臣秀吉が大名たちに作らせた、淀川の氾濫防止の堤防の痕跡が
この守口に残っています。
堤防は京都までの幹線道路として繁栄し、奈良方面への分岐点でもあり、
その宿場町の名残として古い商家や住宅が幾つか残っています。
そのような歴史がある街なので、今回は「和」を意識した集合住宅としてデザインしました。

外観手摺りには竹林をイメージし、特殊なセラミック塗装を施した
強化ガラスを使用しています。



















エントランスも日本の伝統的な文様を意識した素材や、
日本的な色彩で構成してあります。
かなりリアルなCGを作りましたので、写真と見間違うような出来栄えです。








































完成は2018年9月の予定です。

CG制作は「マッシモ」にお願いしております。







2017年11月5日日曜日

現実を超えるCG



私のデザインする建物は基本的に模型とCG(コンピュータグラフィックス)を使い
設計図が完成するまでに、お客様にプレゼンをします。

模型は外観であるとか、間取りを覗き込んでもらい
空間のカタチを表現する事が主体になります。
模型を作る材料にもよりますが、どうしてもリアルさには欠けます。

その点CGは現実に使用する建築材料を画像としてコンピュータに取り込んだり、
照明器具の光源データを使用しますので、かなり現実に近い空間を表現することが出来ます。

弊社ではアトリエスタッフだけでCGを作ったりしますが、
建築規模が大きく模型では表現が難しい場合や、よりリアルなシーンを要求される場合、
協力してくれるCGクリエーターに依頼することもあります。

最近は数年前あるきっかけで知り合ったイタリア人CGクリエーターに、
重要なCG制作を依頼することが多くなりました。
彼の技術力の高さは本当に素晴らしく、複雑な内容であればあるほど燃えてくれます。

職人気質というのか、イタリア人独特の技に対するプライドというのか、
僕には表現者として願ったり適ったりの有難い人です。

もう写真なのかCGなのか区別がつかない作品を作ってくれます。
画像はある集合住宅のインテリアプレゼンテーションですが、
クライアントとも納得のCGカットです。
この画像を見て、空間にマッチした小物など買い足せると大喜びでした。
























家具類インテリアアイテムは実際に納品するものを作り込んであります。