2010年11月30日火曜日

新しい住いの設計




ブログに何度か書いた「たつの市」の個人邸。
先週末にプレゼンテーションをしたのだが、プランをとても気に入っていただき
昨夜、正式に設計のご依頼をいただいた。

現場を見ていて具体的なイメージがどんどん湧いてきて、
すぐにドローイングを始め、けっこう早い時期にカタチがまとまりました。
東端と西端にウイングを持つ48坪、長さ24mの木造平屋建てです。

都会から実家のあるたつの市に移り住まれることになった「Yさんご夫妻」。
お二人ともアウトドアスポーツがお好きだそうですが、建築地周辺にはまだまだ
自然がたくさん残っているので「お楽しみ」がたくさん増えそうですね。

        
プレゼン当日の朝、テーブルの上で模型を撮影していたら、
丁度上手い具合に太陽光が模型を照らしてくれました。
計画地と同じように配置して撮影したのが上の写真です。

まさに南側から玄関土間にかけて冬はこんな風に日が差すのではないでしょうか。
木戸を開けるとポーチまで陽が届きそうです。
プレゼンの際、ご夫婦にこの写真をお見せしたら、「イメージがとてもわかりやすくて
感動しました」とおっしゃっていただきました。




日本的な佇まいと温かな木のぬくもりを感じる住いを目指します。

北面と南面の佇まいが特徴的な家になると思います。

櫻山居のKさんが工事が始まったら是非見学させて欲しいと
言われてましたが、現場監督でもお願いしましょうか!?







2010年11月28日日曜日

はらドーナッツ





「事務所の夜食に何か買ってきて!」とスタッフのTさんにお願いしたところ
「今夜はこれにしました!」と近所にオープンしたドーナツツ屋さんで
美味しそうなもの買ってきてくれた。揚げたてのドーナッツだ。
食べてみるとさっぱりしてて、何個でも食べられる。
胃にもたれないあっさりした味でとても気に入った。

それ以来このドーナッツが好きになって、何かある度に買ってくる。
今日も事務所でリノベーション住宅の打合せがあり、
ちっちゃなお嬢さん達が来られるので、迷わず用意した。

色々種類があり選ぶのも楽しい。
それからお店の人がかぶっているニットの帽子がいい感じで、
お店も漫画チックでほのぼのしてます。

ちょっとした虫押さえに最適です。


2010年11月23日火曜日

「徳島産真鴨」を食べる会

設計事務所のブログにこんな贅沢な内容を書いていいものか随分迷いましたが、
「特別に誘っていただいたKOさんと、料理とサービスをしていただいたユニッソン ・デ・クールの
皆様方の温かいおもてなしに敬意と感謝をこめて!」


いつも素晴らしい食事とワインにお誘いいただいている「KOさん」から
1ヶ月ほど前にご一緒した「ユニッソン・デ・クール」へ、もう一度行きましょうと
ご連絡をいただいた。

何やらすごい食材が入ったらしい。

皆さんにお店を知って頂きたい時以外、食べに行く店の料理の中身は
あまり書きたくないのだが、今回だけは書かずにいられなかった。

それはKOさんの知り合いの猟師さんが射止めた「徳島の真鴨」を
美味しくいただく3人だけの素晴らしい食事会!

アミューズはそれぞれに個性があり、これから始まる料理に期待を抱かせる。

ユニッソン・デ・クールは今年のミシュランで1星を獲得した
新進気鋭の坂本シェフのレストランだ。
 
北海道ズワイガニ、キャビア・オシェトラ 下仁田ネギのババラワーズ 
ワインは Pouilly Fume [Baron de L] 1985

下関ふぐのポトフ 軽く炙ったとらふぐにポトフのスープをかけていただきます。
シンプルな味ですが、じわりとスープの旨みが口に広がります。
ワインは見ての通り!FAIVELEY CORTON CHARLEMAGNE 2001
す、すごいワインです。香りも味もまったく別物!お酒は強くないのですが、
本当にいいワインは酔いません。このワイン、とんでもない代物です。
   
これが本日のメイン、「徳島産の真鴨」。湖や川にで泳いでる鴨とは違います。
山にいるそうですこの鴨!猟師さんが獲るので少量しか入らない貴重品。
写真はシェフが調理前に持参してくれた鴨2羽。すごく美しい羽毛に包まれていました。
手前が雄で後ろが雌。身体もすごく大きいです。内臓と骨をつぶしてソースにします。

ワインはオーストラリアの至宝 Penfolds Grange SHIRAZ 2001 これもレアなワイン、
なかなか手に入らない代物!KOさん本当にすごいコレクションをお持ちです。
当たり前かもしれませんが、それも全て飲むためのワインであることが憎いです!
   
料理はスペシャリテで2種類用意していただきました。
左が真鴨のロティ 白キャベツのコンポテ(アルバ産の白トリュフをたっぷりかけて)、
右はモモ肉と砂ずり 山しめじのフォーリエ
肝心の真鴨ですが、肉質を見たらわかると思います。そこらの鴨とは全然比較になりません。
今まで食べてきた鴨(ピュルゴー家の鴨も含めて)とはまったく別物。
こんな滋味に満ちた鴨は食べたことがありません。
滋賀県長浜市の「とり新」というかも鍋屋さんで食べた琵琶湖産の鴨も美味しかったけど
これは味覚、嗅覚、視覚など五感で感じる以上の食材。もう記憶から消えることのない味です。
ソースも凄かった!さすがパリの「ムーリス」でソースを担当されていたシェフの実力が
大爆発したかのような、インパクトのある美味しい味でした。
これにまたペンフォールのワインがメチャクチャ合いました。



チーズも状態の良いものを出していただきました。
デザートもプチフールもなんなく胃袋に収まり、シェフからプレゼントしていただいた
食後酒のコニャックを舐めつつ4時間近くに及ぶ食事が終了いたしました。
今回は食材の素晴らしさも見事なものでしたが、それ以上に「KOさん」の食に対する
こだわりや底知れな知識、食材ルートに圧倒された一日でした。
「KOさん」いつもながら感謝するばかりで、なんのお礼も出来ない私で申し訳ありません。
次回も楽しみにしています。本当にありがとうございます。


2010年11月22日月曜日

事務所近況



このところ工事中プロジェクトの設計監理、契約が済んだ案件の基本設計、
これから契約に向けてのプレゼンテーション準備(模型や基本計画)などが
いくつも重なり、結構ハードな日々を過ごしています。

週末も金曜、土曜、日曜とそれぞれ個人住宅のお客様との設計、
工事打合せなどが隔週ごとに事務所であるため、スタッフのみなさんにも
休日出勤をお願いしています。

「忙しいのは何より結構!仕事に励みなさい!」と、どなたからかお小言を頂戴しそうですが
本当に有難いことだと感謝しております。

そんな中、秋もなんだか急ぎ足で過ぎていくようで、緑地公園へ続くこの遊歩道も晩秋の気配です。
紅葉の終焉は何かとても切なくなりますね。
   
今年は紅葉を楽しむ余裕もなく、その機会を逃してしまいそうですが、
本当にあっという間の1年が過ぎて行きます。
おやおや、前を歩くのは同僚のH先生かな?

健康にだけは気をつけ風邪など引かぬようしたいと思っています。

2010年11月15日月曜日

若者




先日、終電間際の御堂筋線梅田駅プラットホームで、不意に声を掛けられた。

声の主は以前設計を担当した、豊中のフレンチレストラン「ラ・メゾンブランシュ」で
厨房に入っていた、若いけれどしっかりしている「S君」だった。
そういえば最近余り顔を見なくなったなあと思ってた。

聞けば今は本町の難波神社近くに出来た、プチフレンチレストランでシェフをしているという。
是非来て下さい!約束ですよ!と言われ名刺をいただき、その場を別れたのだが、
お店のデザインはオーナーのつながりでインフィックスの「間宮さん」にお願いしたとのこと。
興味が湧かないわけがない。

日曜日の夜、リノベーション住宅のお施主様との打合せ後、お邪魔することにした。

お店の名前は「カルト・ブランシュ」。白バラの品種を店名にしたそうですが、
さすがショップデザインの大御所の仕事、洗練されたデザインです。

料理はやっぱり、修業していたメゾンの加藤シェフにどこか似ている。
でも、オリジナリティを出すため色々チャレンジしているとのこと。

右上の焼カニや、左下のミンククジラのローストといった一皿を見ると
確かに前進しているなあという気がします。
金目鯛のソテーに添えられていたムール貝、肉厚でジュシーすごく美味でした!
もちろんお魚もそのソースも結構なお味でしたが。

メインは定番ビュルゴー家の鴨、そして面白いなあと思ったのが、
デザートの前に甜茶とウーロン茶をミックスした飲み物が出た。
一瞬間違って珈琲をだしたのかと相方と顔を見合わせたのだが
ほのかに甘味があり口の中がさっぱりしますからとのこと。
あまりフレンチという枠に囚われない組み合わせです。

デザートは柿とライムのセミフレッド、栗のオペラに栗のアイス。
これで¥6000のコース(デザートは1種類ですが、プチフールもついてます)安い!
まだまだこれから進化し、どんどん美味しくなっていくのだろうと思います。
Sシェフ頑張れ!応援しているよ!また近いうちに伺います。







2010年11月10日水曜日

授業


今日は朝から夕方まで一日授業でした。

下の写真は学校脇の緑地公園に続く緑道広場の朝の様子。
日増しに紅葉が進んでいます。

午後からここに学生達を引率して来るので下見に来てました。


課題がこの広場にレストハウスを作るというものなので
敷地調査をすることになっています。


寒い日だったのですが、天気が良く学生達が敷地測量のあと
「光と陰影を内部空間に表現する」という前回の課題を
太陽にかざして見たいというので、教室からめいめい自分の作品を運んできた。
そして順番通りに並べたのが下の写真。

連続する小さな共同住宅です。面白いフォルムでしょ!

写真ではわかりにくいですが、空間の一部を切り取ったスリット状の隙間から
太陽光が入って内部空間に面白い予想しない陰影を作り出します。

みな楽しく授業を受けていましたが、今日は余程面白かったのか
全員歓声を上げていました。学生達といると仕事にはないエネルギーをたくさんもらいます。

本当に楽しい時間です。









2010年11月7日日曜日

ヒアリング


近くにはこんな神社や川も流れています。

昨日、たつの市で住宅を計画されている「Yさん」ご夫妻、そしてちっちゃなお子様もご一緒に
お会いしたのですが、お二人ともとても穏やかな人柄で、
純粋な心根を持っていらっしゃる方だなあと感じた。

漠然として輪郭がはっきりしなかった住いのカタチが、ハウスメーカーさんなど
色々なところの話を聞いてみて、少しずつ見えて来たようだ。

でも、自分達の思っている家のカタチとは何か違うと感じられたようです。
そこで建築家の話も聞いてみたいということになり、お会いすることになったのです。

自分達の考えている事をきちんとまとめられていて、どのような住み方をしたいのか
わかりやすい要望書を持参していただきました。
3時間近く、和やかにヒアリングをさせていただき、互いに住いに求めているものが
よく似ていること分かり、話も盛り上がりました。

奥様から「今まで数社にお話を聞かせてもらったのですが、初めて本当に家を建てたいと思いました」と
うれしいお言葉をいただき、とても有意義な楽しい時間でした。

以前にブログに書きましたが、縁とは本当に不思議なもので
兵庫県西部のたつの市で計画されているにもかかわらず、ご主人の勤務先が私どもの事務所から
歩いて10分もかからない程のところにあり、打合せなどがとても便利だと喜んでいただけました。

先日竣工したばかりの櫻山居の工事をしていただいた大工さんの内、
数人はたつの市に住まわれているそうで、これもまた縁なのでしょう。

先日現地を見て感じたことを中心に計画をまとめ、今月末にプレゼンテーションをすることになりました。

ご夫妻のご期待に沿えるプレゼンにしたいと思っています。






2010年11月3日水曜日

赤とんぼの町へ




数日前、兵庫県の「たつの」で住宅を計画されている方の敷地調査へ出かけた。
「たつの」といえば童謡「あかとんぼ」の作詞者三木露風の生誕地として有名だが、
播磨の小京都と言われるくらい、風情がある街並みや史跡がある。初めて訪れる町だ。

ただ今回は敷地調査が目的で、のんびりと散策する間もなかったので
機会をあらためてその辺りの事は書こうと思う。

基本的に初めて訪れる場所は、よほどの事がない限り公共の交通機関を使うことにしている。
その方が目的地に着くまで色々なことを観察できるからである。

例えば地元の人たちの声や雰囲気、街並みや自然の豊かさのチェックなど
数えたらきりが無い程だが、それが建物の計画を考えていく際
大きなヒントになったりする。

Googleで調べてみると計画地は駅から直線で2キロちょっと。
まあ歩いても30分くらいのものだから、ブラブラと2本の足に頼ることにした。

新快速で姫路まで行き、そこから姫新線に乗り換え20分弱で「本竜野」駅に着く。
プラットホーム脇には赤とんぼをイメージする銅像が。。。。
失礼だが、なんとなくバックの寂しいし佇まいがどこかの資料館に展示してある人形みたいで
あまり風情を感じなかった。

駅舎も新しく建て替えられたのであろう今風の、利便性を追求した建物であった。
駅東口も駅前で宅地分譲をしていて、そんな駅前に住宅地でなくても。。。何か違うぞ!と
思ってしまった。駅西口も同様で、再開発のため風情のある街並みは何処かへ消え、
ハウスメーカーのアパートやマンションばかりになっていてちょっと悲しい。
しかし、側溝のコンクリート製蓋やマンホールには赤とんぼがリズミカルに描かれていて
ちょっと嬉しくなった。
歩道橋の名前も赤とんぼと書いてあったが、林田川の土手沿いなのでトンボが多いのだろうか。
30分程歩いて計画地にたどり着いたが、周辺は小さな集落と小高い山、
田んぼや畑が広がるのどかな場所だ。
山の中腹にある巨石がとても気になった。しかし、こんな広い場所に建てる住宅は
何をキーワードにしたらよいのか。。。周辺で気になるのはこの山だ。
紅葉する樹木がどれだけあるのか?田植えの時期は青々するのか。。。。。。
陽当りは良いが敷地南側に走るバイパスの騒音をどうするのかなど、迷うことばかりである。

来る途中、畦道の両脇に立つ石灯篭が気になっていた。
この路地の奥くはどんな佇まいになっているのだろう?と好奇心がふつふつ湧き上がる。
元々参道らしきものがあった場所を分断するように国道が出来たようだ。
ズンズン中へ入って行くと、小さな社へ出た。

奉納品に龍の錦絵と日露戦争時従軍記念野戦砲の砲弾らしきものが飾られている。
地元の人でないとわからない何かがあるのであろう。
今週末にそのクライアントの方と顔合わせがあるのだが、
性格の不一致的な結末にはしたくないので、しっかりとした下調べをしなくては。
行き帰りの電車内で読んだ益子義弘氏の「住風景を創る」という本が、
忘れかけていた住宅を作るささやかな喜びを思い起こさせてくれました。