2011年6月30日木曜日

見本





先日ブログに書いた木工家の「徳永順男」さんから約束通り
ペーパーフィニッシュの欅とカンナフィニッシュの欅のサンプルが届きました。
先日の作品展のお礼状と、アトリエへのお誘いも書かれた手書きの手紙も添えられていた。

律儀な人だなあと思ったし、目下の僕に対等に接してくれる人柄が
とても嬉しかった。温かな心を持ったひとなんだろうな。
彼の作品を触ってみるとその純粋な心根が伝わってくるような気がする。

今朝届いた宅配便の包みを開け、スタッフにサンプルを見せて見た目どちらがいいか聞いてみた。
みな口を揃えてカンナフィニッシュが良いという。
今度は実際に手で触れさせどちらがいいか聞いてみると、今度はペーパーフィニッシュがいいと言った。
たたら鉋で仕上げていると言ってなかったので、鉋の削った痕跡が残るほうは荒削りだと思ったらしく、
ツルツルとしたペーパーフィニッシュの方が完成品と思ったようだ。
カンナフィニッシュの説明をするとみな「おおっ!」といって手に取りその感触を楽しんでいるようだった。

下の写真の手前がカンナフィニッシュ。どちらもオイルフィニッシで仕上げただけだが、
木目の浮き出方がまったく違う。ペーパーフィニッシュは目が木地に溶け込んでるように見える。
それに比べカンナで仕上げると木目が浮き出て見える。
カンナフィニッシュすると木地の中から自然に脂が出てくるそうだ。

土曜日はカンナフィニッシュで玄関取っ手を作りたいと考えている「記憶の家」のYさんと打合せがあるし、
来週には階段手摺にこの仕上を使いたい「海に背を向ける家」のMさんご夫妻と打合せがある。
サンプルが間に合ったので、手にとってその感触を確認してもらいながら打合せが出来そうだ。


2011年6月26日日曜日

夕陽と夕焼け空



雑誌の整理をしていたら南の島の美しい夕陽の記事が出てきた。

今日は夕焼けのことを書こうと思ってた矢先、
台風の影響かにわかに曇ってきてとうとう雨が降ってきちゃった。

夕陽や夕焼けは日が沈むとか、終わっていくことなどあんまりいい意味で使わないようだけど
世界中のどこかで必ず日が沈み続け、反対方向からは日が昇ることを繰り返しているわけだから
別に悪いことではないと思う。

むしろ美しい夕焼けは心を豊かにしてくれるし、建築なんかやってると、どうにかしてその夕陽を
建物に取り込んでやろうとか考えたりするもの。こちらは淡路島の西海岸から見た四国へ沈む夕陽。

           
色々な場所で美しい夕焼けを見ましたが、その土地ではならの夕焼けがあり感動します。
下の写真は岡山、「櫻山居」の玄関土間の壁に差し込む夕陽。ある季節の一瞬だけ細い帯となって
壁を照らします。
           
これも櫻山居の夕焼けですが、日本夕陽100選になっている場所だけにすばらしい光景が出現します。
           
所変わってこちらはハワイの夕焼け。マウイの対岸にあるカホラゥエ島方向に沈む夕陽。
この写真を撮ったあと沖で鯨がジャンプしたのですが、シャッターチャンスを逃してしまった。
           
下の写真はボルネオ島コタキナバル市のタンジュンアルビーチから見た夕焼け。
ここは絶景の夕焼けが見られます。水平線に雲が立ち上がってます。                   
           
最後はバリ島スミニャックのビーチから見る夕焼け。
観光客や地元の人が海岸をそぞろ散歩します。波打ち際も夕陽に染まります。 
           
こんな美しい夕焼けをたくさん見たのだから、明日から気持ちを切り替えて頑張りましょう!


いつかアフリカでサハラ砂漠とサバンナに沈む夕陽を見てみたいなあ。

2011年6月24日金曜日

茂木びわ




長崎に住む妹夫婦から茂木びわが届いた。
懐かしい。。。。。本当に懐かしい。

茂木は長崎市から南東方向へ車で30分くらいのところにある漁港で、
橘湾に面する風光明媚なところ。その辺りから東シナ海に向けて
急傾斜の山間にびわ畑とポンカンなどのかんきつ類の畑が広がる。

ぽつりぽつりと集落があり、その海岸には幾つかの海水浴場があった。
小さい頃はその辺りの海水浴場へよく家族で出かけた思い出があります。

茂木びわは大粒でとてもジューシーです。
今の季節だけ、そんなに長くは出回りませんが季節を感じる果物です。
もともと中国のものだそうですが、1830年頃長崎唐通詞の家に女中奉公していた
三浦シオさんという方が種を貰い受け自宅に蒔いたのが始まりだそうです。
           
           
どうですかこのジューシーさ!美味しそうでしょう?

数日前、同じ長崎出身で歳も1つ違いの「TAO建築研究所」の浅井さんと
せっかく大阪に居るんだから、どこかで会いたいねとメール交換したばかりでした。
多分、彼の実家は僕の家より茂木に限りなく近いのではないだろうか。
連絡取れたら少し分けてあげたいですね。
びわは日持ちしないから、今日明日が限界だなあ。



2011年6月23日木曜日

土手嘉(どてか)





所用があり豊中市役所へ。
帰り道久しぶりに岡町の商店街を通った。

20年以上前、この町で住宅の仕事をしていた頃、手隙のときにこの街を探検した。
原田神社を始め、古い茅葺屋根の由緒ありげな家屋があったりして結構楽しかった。
そしてお昼休みに写真の「土手嘉」でうどんと巻きの定食をよく食べていた。

食事をしていなかったので、懐かしくもあり15年ぶりに土手嘉へ入ってみた。
午後の3時くらいだったから他にお客さんは居なかったけれど、15年も経つのにこの店
まったく変わっていない。
値段は多少変わったかもしれないけれどお品書きの中身は昔のまま。
女将さんは変わったかもしれないあ、でも昭和の頃にタイムスリップしてしまった。
 
夏場のエアコンの少し騒がしい音がなんとも言えず好きなんですよね。ちょっと下町ぽくって。
暇そうに新聞読んでるおじちゃんとかがいたり、壁に誰も見てない備え付けのテレビが写ってたりして。。。

この店、昭和の始め頃に営業されたのかと思いきや、とんでもなかった!
大阪でも一番古いうどん屋さんだとは知りませんでした。何せ今のご主人で8代目だそうで、
始まりは江戸の中期だそうです。
女将さんもいつから始まったのか本当の事は知らないとおっしゃってました。
   
「土手嘉」という名前もなんだろう?と思いますが、土手は向かいににある原田神社の玉垣を
昔「土手」といったそうで、嘉は代々の主の名前の一字、それで「土手嘉」

今日は冷たいうどんと2種巻き(穴子巻きとたくあん巻き)を頂きましたが、ここのお品書きには
昔から「助六」の他に「助八」、「助十」というのがあって、知らないで「助十とうどん」なんて頼もうものなら
「そんなもん食べられへんから止めとき!」と先代の女将さんから怒られてた。
なんせバッテラ1本といなり4個のセットだそうで。。。。そりゃあ無理かなあ。
因みに助八はバッテラ1本と巻き3個のセットで微妙に値段が違います。
          
久しぶりに昔を楽しみました。そういえば昔工事をした「Yさん」お元気でしょうか?
とても素敵なご家族で、よく晩御飯ご馳走になってました。近いうちに尋ねてみようかな?

2011年6月21日火曜日

ノウゼンカズラ




朝、出勤途中の庭先にノウゼンカズラが咲き始めたのを見つけた。

夏になるとたくさんのオレンジ色の花が、密生する葉の間から顔を出す。
今はまだ花は散り落ちていないけれど、いつもこの花の路上に散った姿が
印象に残ってしまう。

それは辺りに散らばるように落ちるというより、一所に重なるように落ちている気がする。
濃厚な花の色がコンクリートやアスファルトの上に塊で落ちるから余計にそう見えるのだろうか。


夏の、激しい季節に咲く花なのに他の花が持つ華やかさではなく、少し陰のあるようなアンニュイな
感じが妙に心を惹きつける。それも落下した花びらたちに。
             

             

             
花言葉は「栄光」「名声」「華のある人生」「豊富な愛情」などなど。

その花言葉を聞くとこの花は美しく輝く時が最高なのかも知れないが、何故か僕はそこに目が行かない。

どちらかといえば華やかさが過ぎ去った後の見捨てられた花弁たちに、この花の本当の美しさが

あるような気がする。


下の写真のようなプルメリアの花びらは、落ちてもなお華やかさを保って気高い気がするのだが、

同じような熱帯の「ねっとりした濃密な空気」がとても似合うのに、なんとなく陰のある脇役で

常に主役になれない女優ぽいところに強く惹かれるのだろうか。
             
















2011年6月19日日曜日

Napoliが僕を呼んでいる!




日曜日の昼下がり、自宅のパソコンの調子が悪く、不器用な僕が悪戦苦闘しながら
あれこれをいじっていたのだが、上手くいかずちょっと小休止。

先日録画しておいたBS日テレの「トラベリックスⅢ」世界体感旅行 「イタリア美食の旅」を見た。
思わず美味しい料理の数々にちょっと食いついてしまった。

イタリアは特別思い入れもあるし、何を見ても楽しそうで、美味しそうで、幸せそう!
特にナポリや南イタリアは何度行ってもまた行きたくなる。

このサンタルチア港の二人、絵になりますよね!夕陽の中、あまりにも様になっていたのでついパチリ!

ホテル近くのトラットリア で食べた魚介類のパスタ。目の前のナポリ湾の材料だから、
とてもシンプルな味付けだけど、もう足をバタバタするくらい美味しい!
冷やしたワインがどんどん胃の中に納まります。

ピッツァ・マルゲリータ発祥の「BRANDI」。ピッツァ焼職人がポーズを決めてくれた。
そしてそのマルゲリータ。これぞナポリピッツァという代物です。もちろんとても美味しい!


Napoliが僕を呼んでいる!「いつ帰ってくるんだ?」と!ちょこっと暮らしてたフィレンツェよりも
僕の身体に馴染むのは何故だろう?生まれ育ったNagasakiの街と同じ港町だからだろうか?





2011年6月17日金曜日

hanafruのフルーツゼリー





仕事柄男臭い風貌のN社長、顔に似合わず(ゴメンナサイ!)
いつも女性的な優しいお土産を持参してくれる。

先日、岡山県倉敷市のフルーツ・デザートショップ「hanafru なかむら」のデザートを頂いた。
以前いただいた「山口果実」のフルーツポンチもとても美味しかったけど、
このフルーツゼリーもなかなかの物です。
熱処理をしていない果実なので瑞々しいし、新鮮な果実の香りも食欲をそそる。

岡山はフルーツ王国ですよね。美味しい果物がたくさんあります。

このショップにもゼリーの他にも、フルーツとそのジュースで作ったデザートや、
ババロアと組み合わせたもの、普通にスポンジやタルトの上にフルーツをあしらったものなどがあります。

関西にも数店舗出店されているようです。阪神百貨店B1の食品フロアにも売場があります。

左からミックス、メロン、マンゴー、キウィ、オレンジ、どれも美味しそう。

これからの季節にはピッタリですね。N社長いつも気を使っていただき有難うございます。

みんなで美味しく頂きました。

今日は「海に背を向ける家」のお施主様と夕刻から打合せ。
合い間にこのゼリーちょっとお出ししてみようかな。



2011年6月15日水曜日

ARCO(アルコ)照明器具




「BW-H」のお施主様からリビングに何か表情が欲しいのだけど
何か良いものはありませんか?と相談を受けていた。

リビングは天井高が3m近くあるし、カッシーナのソファ「マラルンガ」がセットされているし
もうこれはイタリア「FLOS」の照明器具アルコしかないでしょうとお答えした。
どんなものかご存知なかったが、お任せしますと仰られたので注文しておいた。

一週間ほど前、配達されてきたそうでご主人が組み立てられた。
今日、僕はその配置と角度を調整しに伺った。

この照明器具イタリアの建築家カスティリオー二兄弟が1962年にデザインを発表して以来、
世界中で愛用されている名作です。
日本の住いはリビングの広さに限りがあり、天井高が低いことが多くバランスが取りにくいので
使用する機会が限られる。

大きなアーチ(アルコ)が特徴的で照明部分の上部にはドットの穴がたくさん開いてて、
天井に無数の美しい光の模様を作り出す。お施主様も気に入っていただいたようです。
残りはリビングカウンターに飾るスウェーデンの名品「コスタボダ」の大皿を、
待つばかりになりました。
たくさんのお客様がお越しになり、時間が止まったようなこの広々とした空間を
お褒めいただいてるそうです。
           


設計者として本当に嬉しい言葉です。夏のガーデンパーティは大変なことになりそうです。









2011年6月12日日曜日

徳永順男さんのこと




ある日、RECOPROJECTの佐々木さんという方が何かで僕の事務所を知ったらしく、
どうしても見て欲しい椅子があるので、事務所へ伺いたいといきなり電話をかけてこられた。
また家具のセールスかというくらいで、電話のやり取りをしていたのだが僕が居る時間に伺いたいと
引かないので、そこまで言うのならと日時を約束して電話を切った。

1週間程して彼は本当に椅子を一脚持って事務所を訪ねてきた。
「ザ・チェア」の面影があるその椅子は、一般的なサンドペーパーフィニッシュの木地を荒らしたような
仕上げと違い、カンナだけで仕上られた少し直線的な手触りが残る人間味溢れる温かなものだった。

その時初めて木工家「徳永順男さん」のことを知った。そして、その制作に必要不可欠な鉋。
日本古来のたたら製鉄法で作られる玉鋼(たまはがね)のカンナを作る鍛治師。

それは兵庫県三木市の熟練の鍛冶師大原氏が、地元千種川に出向き大きな磁石で川底の砂鉄を集め
数日間砂鉄と木炭を炉に入れ焼き続けて出来た純度の高い玉鋼に焼き、叩き、鍛錬して作り出す。
徳永さんと大原さんの出会いがあって、初めてこのなんとも言えぬ手触りの椅子が生まれたらしい。

その徳永順男さんと、大阪工芸協会の会長で染色家の平金有一氏の二人展が京都二条城近くの
「ギャラリーYSD」で開催されていることを知り、作家に会ってみたくなり、日曜日の午後お伺いした。

          


ギャラリーは友禅染の工房が運営されており、一般向けに友禅教室等も行われているそうで、佇まいは


京都らしい町家をイメージした建物でした。平金先生も自分よりも徳永さんの仕事をもっと世に出したいと


思われていることをギャラリーの主からうかがいました。


案内された一番奥の部屋で徳永さんは一人静かに椅子の背の部分に鉋をかけておられました。


少しお時間をいただいてお話をさせていただいたのですが、自分の作品の事よりも鍛治師の


大原さんの仕事ぶりをずっとお話しされてました。


その大原さんの鉋と普通の鉋の違いを見せていただいたのですが、一般の鉋は木地に当てるとシュッ、シュッと


よく聞く削り音がします。


しかし大原さんの鉋を当てるとあまり音がしない。木地の上を鉋が滑っていくというのでしょうか、


表面を撫でていくような感じなのです。でも手で触ると確かに鉋がかかっている。


赤ちゃんの肌のようだという人もいるそうですが、確かに吸い付くような仕上がりです。


          


色々お話をさせていただく中で、徳永さんは大原さんが作るたたら製鉄の技法を何とか残したいと


思っていらっしゃってる。RECOPROJECTの佐々木さんもその一人なのです。


この手触りは触ってみないとわからない。僕も設計の仕事をする中で、何かお役に立てないか


考えてみました。


それで徳永さんに椅子は勿論、ドアノブや手摺りにその仕上げを使えないかお願いをしたのです。


初めて会った僕に彼は手触りの違いがわかるサンプルを送ると約束して下さいました。


近いうちに三木市の工房へお伺いしたいこと、そして大原さんにもお会いしてみたいことなど欲張りな


お願いして帰ることにしたのですが、あらためて日本の伝統工芸の奥深さを知らされた貴重な時間でした。


              


先日の西天満の「松弥」の大将もそうですが、自分が選んだ仕事に対する並々ならぬ拘りは


本当に頭が下がります。僕は何をやってるんだろうな!と自責の念ばかりが頭をよぎります。



「櫻山居」のKさん、「記憶の家」のYさん、一度三木市の工房へご一緒しませんか?

徳永順男さんのHP  http://www.tatara-furniture.com/

販売問い合わせ    http://recoproject.com/

















2011年6月11日土曜日

白玉知故





「記憶の家」のお施主様「Yさん」から甲子園にある桔梗堂さんの
白玉しるこをいただいた。奥様お奨めの一品だそうです。

そんなに甘くなくスルスルと喉の奥へ入っていく。もう1つ食べれそう。
材料をしっかり吟味してある、身体に優しい味です。
こういった昔からある素朴なお菓子は食べる人それぞれに色々な思い出が
いっぱい詰まってそうな気がします。
甲子園生まれのスタッフ「小浦君」は、小さい頃から慣れ親しんだ味らしい。
           
そういえば僕の小さい頃の懐かしい味は、祖母が暮らした長崎県島原市の「寒ざらし」。
同じ白玉を使いますが湧水で冷やして蜜や砂糖を入れたシロップにたくさん浮かべた夏の風物詩。

車も入らないような下町の湧き水横の「銀水」というお店が一番美味しかった。
高齢のおばあちゃんが一人で切り盛りされてたけれど、もう亡くなられて
今は食べれなくなりました。思い出の味です。
           
白玉知故、今度散歩がてら買いに行ってみようかな。








2011年6月9日木曜日

古家解体





事務所では今、2ケ所の住宅計画地で古家の解体作業が行われています。
一つはたつの市で計画している「記憶の家」。鉄骨倉庫の解体が進行していますが、
古い建物でアスベストが含まれているため、手ばらしで慎重に工事が進められています。

もう一つがここ、神戸市北区有野台で進めている「三世代家族の家」。
建築確認申請も終了しているので、来週には地鎮祭を計画しています。

有馬温泉に近いこの場所、交通の便が良くないように思われがちですが、大阪の私の事務所から
1時間余で到着します。JR、地下鉄、神戸電鉄の相互連絡がよくて、待ち時間が少ない。
非常に効率がいいです。神戸電鉄の 五社駅から歩いて10分程の場所に計画地があります。




さて現場では建物の解体は終了し、残材撤去などを今週中に終わらせる予定です。
今日は塀沿いに植えてある木々のうち、どの木を残そうか思案しに来ました。
すべて残してあげたいのですが、かなり弱った古木もあり、整理しないと収拾がつきません。
頭が痛いところです。
帰り道、道路脇に凄い衣裳を着た桜の木を見つけました。
新芽が幹の下の方をすべて覆ってて、万歳をしている子供のように見えます。
何故か楽しい姿ですね。

それから駅までの途中に五社神社があったので、ちょっと立ち寄り工事の安全祈願をしてきました。
この神社、この辺りでは最も古い神社の一つらしいです。
境内も竹箒で綺麗に掃き清められていました。

都心に比べると温度も少し低めで、吹き渡る風がとても心地よく、清清しい気持ちになりました。



















2011年6月8日水曜日

目立たない仕事





スタジオクランツォでは高齢化社会に少しでも貢献しようと、下の写真のような老人向け施設の
設計も手がけています。

HPを新しくするために、竣工写真をアップしていないこともあり、いろんな仕事をしていた事を
お知らせしていませんでしたが、こういった施設の設計監理もしています。

この建物は「小規模多機能ホーム セレーノ」という、堺市にある老人向け賃貸集合住宅との
複合施設です。地域住民の方に事前の説明会を何度か開催してご了解をいただいたり
行政との折衝等もあり、完成までの道程は簡単ではないですが色々勉強させてもらいました。

私達がこのような設計をしていることも知っていただけたらと思います。
私は基本計画だけタッチしましたが、その後は担当の小浦君一人で完成までこぎつけました。

先日のASJの建築家展でも資産運用のために、このような施設を考えてらっしゃる方も
いらっしゃいました。
これから先の現実的な問題として避けては通れない分野でしょうね。



小浦君、遅くなりましたがお疲れ様でした。

2011年6月6日月曜日

昨日 今日 明日






昨日、梅田阪急ビルオフィスタワー24階にある「ASJ UMEDA CELL」のグランドオープン記念イベント
「50人の建築家展」に出展していたので一日だけ参加してきた。

驚いたのは設計監理した商業ビルや集合住宅をご存知だったり、設計したフレンチレストランの常連の方、
堂島にある私の事務所をご存知の方まで、色々な方がお見えになり結構楽しめた一日でした。

余談ですが、私の教えてる学生がこのイベントの御堂筋線車内広告を見つけ、私が参加してるとは知らず
興味津々で訪ねてきた。
学生達もびっくりしたけど、こちらもそれ以上に驚いた!
教師以外の部分を見られるのはプライベートを覗かれたようでなんだかちょっと面映い。

そして今日はちょっとした土地探しで、近所の福島区へ出かけた。
そこで見つけたペンシルビル。
トラックの幅と比べてみてください。おそらく建物の幅2m強しかないと思います。
反対側も避難階段幅しかない、とってもスリムなビル。


でも横幅は普通のビル並みにあります。ある意味驚きです!
それから、ちょっと歩いたところにはアフロヘアな屋上を持つビルが。。。
いったいあそには何があるのだろう?不思議いっぱいのビル。
1階にはインド料理店やインド雑貨のお店が入ってました。
        
明日は古家の解体が始まった「三世代家族の家」の現場へ。





2011年6月4日土曜日

西天満 松弥





設計事務所のブログなのに、最近やたら料理の話題が多いと叱られそうですが、
これも仕事の一部と思ってますし、料理人の方と話をしていると建築家仲間と
熱いディスカッションをしているような錯覚に陥ります。

純粋にモノをつくる職種の人たち同士は、どこか共通点があって何かと共感する部分が
多いのです。  長ったらしい言い訳ではありません。本当に!

さて、クライアントであり、食通の「KOさん」から久しぶりにお誘いがあり、西天満の「松弥」さんに
出かけました。
ここは以前、鮨の名店「嘉瑞」があった場所。嘉瑞の堀内さんも東京からお奨めされている店です。
      
昨日は3名でお伺いしましたが、私達のために貸切にされたようで、それだけでもご主人の中井さんの
並々ならぬこだわりが 伝わってきます。ご覧のように看板も暖簾もありません。

このお店はカウンターと調理する場所が非常に近いので、まったく知らない方を前にして料理する程
まだ腕に自信がないと、知り合いのご紹介でしか予約を受付けていないそうです。

兵庫県の猪名川町で父親が経営していた食堂を引き継ぎ、10年近くの間、自分の作りたい料理は何か?
日々没頭、極めることを探求されていたそうです。

料理の味なんて主観ですからその美味しさは人それぞれでしょうが、例えば下の写真の白いかに
添えられている刻んだ胡瓜。一口食べてびっくりしました。
普通の胡瓜なんですけど、まったく味が違う。「これすごい胡瓜ですね!」と言うと、実は猪名川町の
契約農家の胡瓜で、「朝6時10分」に収穫したものだそうで、その畑ではこの時間通りに収穫するのが
一番美味しいんだそうです。胡瓜1本にそれだけの拘りあるとは思いもしませんでした。

右のマグロの握りも鳥取産を10日ほど寝かせ、米も鮨店で使う古米ではなく、口の中で崩れにくい
新米を使う。料理屋の握りにしたいという拘りから。。。
      





      
ここにも本当に自分の理想を追い求める職人がいました。この中井さんという料理人、


まだ知らない世界をたくさん持ってらっしゃるようで、非常に魅力的な人です。


そして謙虚で腰が低い。



僕はずっとこの人の料理を食べ続けてみたいと思いました。


料理に尖ったところのない、苦労と努力を重ねた味ではないかと思います。



そして日々の自分がもがいている事を情けなく思いましたし、死に物狂いで


前へ進むことを心に誓いました。



本当に満たされた夜になりました。いつものように先に帰られた「KOさん」に感謝です!