二日程前、名古屋で計画を進めている、
若いご夫妻の住まいを打合せのため訪れた。
長時間お話をしているうちにリビング空間を
いかにデザインするかという話になった。
互いに共通認識としてあるのは余分なモノをすべて削ぎ取った
ストイックな空間であること。
そのためカウンター収納家具のみを配置し、
開口部も極力設けない。あるのは天井の一部から差し込む光のみ。
がらんとした空間だけを際立たせようと計画している。
しかし、日常生活に必要なものと余計なものをすべて削除してしまった空間の
折り合いをどの辺りでつけるのかとても悩ましい。
今はいいが年齢を重ねるとどうなるのか?その手当てはしておくべきなのか?
私としてはまず、余分な陰影をすべて消し去りたいと思っている。
たとえば、家具カウンターと扉の隙間、目地、照明器具周りの陰影、幅木など
あらゆる些細なデコボコを極力無くしたい。
不必要な陰影が本当に欲しい光の強弱や陰影をボヤケさせてしまう。
最上の光や陰だけが空間の距離感や気配を作り出す。
あらゆる部分が「表に出ないディテール」を考えなくてはいけない。
少し時間を頂いて、来年早々の宿題になりました。
芦屋の「眺めを楽しむ家」も色々な事情で
大幅な変更をすることになりこれも宿題!
今年も年末年始返上で考える時間を作る。
でもそれが楽しいと思う自分がいて、
誰にも邪魔されないお正月は結構好きですね。
初詣に行くであろう大阪天満宮の参道には
4月から着工予定の集合住宅プロジェクトの敷地が
「ええもん作ってや!」と言わんばかりに待ち構えている。
今夜は大晦日。みなさん自宅でゆっくりされているだろうか?
僕も今夜くらい少し早めに仕事を切り上げて帰ろうか。
また来年も、いや明日から頑張ろう!