2012年7月31日火曜日

メタセコイアの家



なんだかんだと忙しく、ブログも後回しになっています。

この1ヶ月色々プランを練ったり、打合せであったり、模型制作など
これから事務所として進めて行くプロジェクトをまとめていく
作業に追われていました

そんな中、昨日は京都府城陽市で進めているお住まいの
ファーストプレゼンの日でした。

敷地南側に隣接して公園があります。
ほとんど利用することの無いような小さな公園です。
設計者としては子供達の歓声が聞こえるのも
建物の風景をつくる素材の一つとして魅力的ですが
そこに植えられている樹木が、とても素敵な建物との関係を
作ってくれるのではないかという期待がありました。
その樹木は「メタセコイア」という名の木です。














考古学の先生というご夫婦のご職業と相当量の書籍、
研究スペースがウエイトを占めることがわかっていたので
ふと顔を上げた瞬間、メタセコイアが優しく見守ってくれるような
住まいにしたかったのです。
そして何か有機的で素朴で土っぽい存在感のあるシンプルな
建物がご夫婦らしいかなと思い、写真の建物をプレゼンしました。

建物の中央には本棚が2フロア貫通して主要構造体のように
コの字型に研究スペースを囲っています。
2階部分の書籍は空中歩廊から直接手にすることが出来るよう
プランニングしています。














南東部分に大きく開いた開口部から、たっぷりと光、
そして、これから大きく成長していくであろうメタセコイアの
全景をずっと眺められるように考えた住まいです。

それでそのままズバリ「メタセコイアの家」と名付けました。
Nさんご夫妻に気に入ってもらえるといいなあ。

2012年7月22日日曜日

変らぬ気持ち



昨日は中部地方で計画されている住宅のプレゼンのため
早朝から模型などを持って待ち合わせ場所へ向かいました。



























プレゼンの結果はすぐに判るわけではないのですが
精一杯頑張ったかなあという気持ちと、もうちょっとああしとけば
よかったかなの気持ちが交錯します。

夕方帰阪し、その足で神戸へ。
東京でのリノベーション計画打合せのため東灘区に。
昔から僕はフットワークが軽いです。本当に!


















このお住まいを尋ねてゆっくりとお話するのは
何年ぶりでしょうか。
建物が完成して8年以上なりますが、内部はほんとんど
竣工当時のまま。
設計に3年近くかかりましたので、ご家族とは十数年の
お付き合いになります。

当時高校生だったお子様は30歳近いお歳になりました。
打合せもどちらかと言えば近況報告が主で、
何かお互いに分かり合えてる部分があるのでしょうか、
それとも阿吽の呼吸というべきなのでしょうか、
何となく伝えたいことはわかります。


















久しぶりに伺って以前と変らぬ距離感でお付き合いを
頂いていることを実感しとても嬉しかったです。
時間を忘れ4時間以上話込んでしまいました。


















そして東京での大掛かりなリノベーションの仕事を
当たり前のように依頼してくださったご夫妻に本当に感謝です。
何か旧友に会ったような「ほのぼのとした気持ち」を感じながら
今出来る精一杯の力で図面を描こうと思っています。

「人の為に一生懸命に尽くすこと」それがスタジオクランツォの
テーマの一つであり、私の生き方でもあります。

まだまだこれからプレゼン予定の皆様、手を抜かないで
一生懸命制作しておりますのでもう少しお待ちください。


2012年7月19日木曜日

美しい街、そして人



前回のブログにも書きましたが、
14、15、16日と建築家展に参加するため
和歌山県新宮市へ滞留しておりました。

やはり沖合いを黒潮が流れるせいか本当に南国ですね。
沖縄、九州や高知に似た雰囲気です。
都会と何が一番違うのかというと、空気の澄み具合です。
澄み切った大気のお陰で、どこまでも、水平線や山々の
稜線の果てまで風景が見えます。
沖縄などの「島」に行くと感じる風景です。
















さて、新宮にはもう一つ用件がありました。
「錨を下ろしたフロートハウス」のMさんご夫妻と食事を
ご一緒する約束です。
どんなところへ連れて行ってくださるんだろう?と
色々想像してみたのですが中々思いつきません。

夕刻、約束の時間にMさんがホテルへ迎えに来てくださいました。
熊野速玉大社の近くへ向かっているとのことでしたが
しばらく走ると少し歴史を感じる街並みの中の1軒で
車は停車しました。














































なんだか老舗の割烹料理店のようです。
お店の方に聞いてみると文久2年(1862年)創業の
歴史ある料理屋さんとのことでびっくりしました。
「養老館」という名前です。
Mさんこんなところ食べに来てるの?すごいなあ!
聞いてみるとご自分のお店のお肉を納品されているそうで
時々ご家族で利用されているとのこと。
新宮にもこんなお店があったんですね。(失礼)
お部屋の設えもしっかりしてあります。

肝心のお料理ですが少しだけ載せておきます。

まずは地元勝浦のマグロ。中トロです。
実物は結構大きい切り身、香りがあります。














地元の赤ウニ。下は山芋豆腐 ウニ濃厚で美味しい!














そして、Mさんとこのお肉!
本日は味噌をつけていただきます。
モモ肉ですが適度にサシが入ってて旨みがあり
モモとは思えないジューシーな一品。
口に入れると香りが広がり、本当に上質のお肉が持つ
クセの無い柔らかさです。本当に美味しいです!














4時間近く色々な話をしました。
僕に仕事を依頼された理由も、家を作る意気込みも。。。
まだ、30歳そこそこなのにしっかりと考え自分達だけの
力で家を建てたいという思い。ちゃんと受け止めましたよ。
お父様の後ろ姿をずっと見て育って来られたのでしょう!
なんだかいつも以上に大きく見えましたよ。Mさん!
次の食事会楽しみですね。

僕もしっかりとした家を計画しなければ。。。
新宮という街、人、より一層好きになりました。

美しい町です。

2012年7月17日火曜日

ローラという名のグラス


すみません。
忙しくてブログを書く時間がありませんでした。

書くことはたくさんあるのですが、時間が足らず。。。
ちょっとずつ元に戻していきます。

昨日まで和歌山県の新宮市へ建築家展に出かけておりました。
色々な事があったのですが、そのことはまた別の日に書かせて
ください。

先日、住まいが完成したお客様から、設計してもらった家が
とても気に入ったので、どうしてもお礼をしたいということで
バカラのショットグラスを頂きました。
































「ローラ」という女の子の名前が付けられたグラスです。
お酒はあまり飲めませんが、自宅へ疲れて帰った時
時々ウイスキーをロックで1杯なんて日があります。

今までスウェーデンの「コスタボダ」のショットグラスを
使ってたのですが割ってしまいました。

だからとても嬉しい!それに女の子の名前のグラスだし。。
なんでもこの「ローラ」という名前、地中海に起源を持つ
名前だそうで、地中海好きの僕としてはまさにうってつけ。














グラスの底に2012と記念の年号を入れて下さいました。
有難うございます。大事に使います。

仕事を終えて感謝していただくことは本当に嬉しいですが
終わった仕事が次に繋がっていくのはもっと嬉しいです。


「BW-H」は「抱きしめられる家」それから「錨を下ろした
フロートハウス」へと続き、「櫻山居」は「記憶の家」から
「メタセコイヤの家」へ、また「海に背を向ける家」は
「眺めを楽しむ家」へと繋がっています。

そしてすべてのお客様がスタジオクランツォを介して
交流を持っていただけたらと願っております。

皆様これからも宜しくお願い致します。

2012年7月8日日曜日

必死のパッチ!



いくつかのプロジェクトが同時に進んでいるため
事務所はてんてこ舞いです。

計画段階のものが多いため、現地調査、資料チェック、
打ち合わせなどにスタッフ全員が追われています。
仕事を頂いているということは大変有難いことですが、
遅延が無いよう細心の注意が必要です。


















大阪天満宮にほど近いこの集合住宅のプロジェクトも
やっと杭掘削が始まりました。
広くはない敷地なので周辺建物が近接おり、
事故の無いよう気をつけながら施工中。















一方こちらは二方向道路に囲まれ比較的作業がしやすい
松ヶ枝町の現場。
朝タワークレーン設置のため、レッカー車が待機しておりました。


















お昼過ぎ工程会議が終わり、現場を覗いてみると
一部タワークレーンが設置されてました。

集合住宅は工期が1年ほどかかるため
住宅と違い日々の変化は少ないのですが
確実に進行しています。

会議では仕上げ材料の最終検討をしているのですが
自然素材のものは思うイメージのテクスチャーに
ピッタリくるものが少なくて、頭を悩ませます。

住宅は9月着工予定の「眺めを楽しむ家」、「東京三田リノベーションハウス」
実施設計中の「抱きしめられる家」「錨を下ろしたフロートハウス」
「メタセコイアの家」等々が進行中。
必死のパッチ(死語かなあ)です。
栄養ドリンクでも飲んで頑張りましょうか!

2012年7月1日日曜日

ユニッソン・デ・クールでランチ


昨日は芦屋の「眺めを楽しむ家」のTさんご夫妻と
ショールーム巡りの後、心斎橋の「カーサM」でランチを
楽しみながら打ち合わせ。

本日は新宮から「錨を下ろしたフロートハウス」のMさんご夫妻が
打ち合わせのため初めて大阪に来られました。
新宮から大阪まで特急で4時間かかります。

水廻り機器のショールームと私の事務所見学、
そして新宮ではなかなか味わえない食事をしたいということで
美味しいフレンチレストランにご案内いたしました。

お客様と食事を共にするということは日々の打ち合わせ以上に
大切なことと考えているので、和気藹々と楽しい時間を
共有できることは至福の喜びでもあります。

選んだレストランは「ユニッソン・デ・クール」というお店です。
今日はMさんのために出来るだけ料理写真を掲載します。





















































































お店に着いて席に座った当初は緊張の面持ちで
なんだかここにいていいのかなあという顔を
してらっしゃいましたが、徐々に打ち解けられて
僕に依頼された経緯もお話してくださいました。

その経緯はいずれ話すとして、親子3代新宮市内で
牛を飼育し自分のお店だけで販売してらっしゃるので
お肉に関しては目の色が変ってました。
「ラパン」ウサギ料理だったのですが、本当に真剣に
肉質を調べたり、部位の食感を味わったり、
さすがにプロになってましたね!

挨拶に来られた坂本シェフもあわてて名刺を取りに戻られて
「いやあ今日は牛肉出さなくてよかった。。」とぽつり。

Mさんお二人でとても楽しそうだったので思わず
写真掲載しちゃいましたけど、いいですよね?
事後承諾になっちゃったけど。。

今月半ばに新宮へ伺いますのでその時はよろしく!
Mさんとはなかなか食事に行く機会が無かっただけに
ちょっとホッとしました。