2012年1月30日月曜日

追い込まれてマス!






このところ余裕も無く、日々あちらこちらを駆け回っている。
工事中、設計中、打合せ中などの現場へ行かなくてはならない。
それに色々なお付き合い。。。。
忙しいし、心に余裕がない、何かスタッフに指示しなければならないことを
うっかり忘れてたりする。

忙しいのは僕らばかりではない。
学生達も卒業制作に追われている。みな睡眠不足。眠たそうな顔をしている。
夜まで学校に居残りできない彼らは、梅田あたりのインターネットカフェに陣取り
終電まで作業を続けているらしい。。。。

まあ、余裕を持って早くから準備に入ればいいものを、
毎年追い詰められ、お尻に火がついてから慌てふためく状況が繰り返される。

学校では僕たち卒業設計担当の講師にチェックを受けると、ダメ出しをされ
訂正、修正がてんこ盛り、大変だあ。
今日は卒業発表のシュミレーションでした。
与えられた時間内に発表を完結させなければならないのに、
みな時間オーバー。。。。かわいそうだとなあと思いつつ、
彼らの将来のために、ここは「怖~い鬼の教師」にならなければ。。

発表会用の自作パンフを作ったり、調査をまとめたり、
CGパースを制作したりと大変だけどあと2週間、頑張ろうぜ!
僕のかわいい教え子たち。





卒業の日、みんな揃って僕の家へ来るそうだ。
その時、僕もやっと「仏の顔」に戻ります。何か美味しいものでも用意しておこうか!

2012年1月26日木曜日

カモシヤ クスモト






先日、友人の誕生会がありました。

誕生会をするような歳でもない、世間ではオジサンの部類に入るのですが
そんな会あまりしてもらったことがないというので、女性も参加して頂いて
彼の思い出に残るような楽しい会になりました。
場所は本当に久しぶり(2年程伺ってなかった)の福島「カモシヤ・クスモト」さん。
ずっと続けている「食の巡礼、元気にしてます!顔見世興行」の一環です。。

シェフの奥様からは山口さんいつもお世話になってます~。と言われたものの
いやあ長いことご無沙汰で。。。えっそうでしたっけ?なんて上手いなあ。楠本さん!
相変わらずご繁盛のようで、この日も当然満席です。
雰囲気はちょっとBARのように見えます。同行者達はみな初めてだったので
ちょっと緊張したそうですが。。JAZZが流れ空間もシックで大人のお店ですよね。


ふぐの白子と骨の部分を軽く味噌焼で。手でしゃぶりつくのが美味しいです。

ラングスティーヌ(赤座海老)のカダイフ巻き。カレー味のソースでした。
そして本日のメインはこちらの一人鍋。
何だと思いますか?お肉に間違いないですが。猪ではありません。

実は岐阜県養老で獲れた「若熊の脂身」。
これをすき焼き風のお鍋にしていただきます。
誕生会のメニューぽくはないけど、主賓はまあオジサンだからいいか!?
熊鍋は奥飛騨あたりに旅すると地元の旅館、民宿ではよく夕食に出てくるので
そんなに珍しいものではありませんが、熊の脂身は本当に美味しいですよね。
特に冬眠前の栄養をたっぷりと蓄えた脂身は獣臭さがまったくありません。
むしろ芳醇な香りが広がり旨みも凝縮してなんともいえない甘味さえ感じます。

カモシヤさんはパンが美味しいので、とても期待して待ってたのですが
なかなかサービスされないので、痺れを切らしてパンは止めちゃったの?
と聞いてみたら、今日は料理に合わせてリゾットにしましたとのこと。。。
う~ん残念。また来なくちゃいけないじゃないですか。すごく楽しみだけど。。。

あまり騒がしく出来るようなお店ではありませんが、喧騒な都心から少し外れた場所で、
カモシヤ(醸しや)の名の通り醸造酒のみをサービスする大人のレストランです。
僕たちの姿が見えなくなるまで、お見送りしていただきとても気持ちよかったです。
楠本さん、ご馳走様でした。

2012年1月23日月曜日

新宮へ向かう!





昨日の日曜日、昨年11月からお約束していた和歌山県新宮市の
「Mさんご夫妻」にお会いするため、朝一番の「オーシャンアロー号」に乗り
新宮へ出かけました。

新宮駅までは新大阪から片道4時間ちょっと。
遠いといえば遠いですが、途中ずっと海岸線を電車は走るし、
眺望のよいところでは電車はわざわざスピードを落とし、
車掌が風景の解説までしてくれるので、あまり苦になる時間ではありません。
むしろ楽しいですね。

終着駅の新宮に着くと、このプロジェクトのコーディネーターをしていただいてる
「ASJ紀伊田辺スタジオ」の中岡マネージャーが迎えに来てくださってました。
クライアントは名古屋の「Oさん」を抜いて一番若いご夫婦です。
でも嬉しいですね、そんな若い方が親子ほど離れた僕に自分たちの住まいの計画を
託してくださるのは。。。じっくりと時間をかけて気に入っていただけるプランを作りましょう。

計画地は駅から歩いて5分ほどの市街地にあるのですが
周辺を建物に囲まれているため風景のヌケがさほど期待できません。

唯一、開けた西側に土地の人たちに誇りとされる「熊野速玉大社」の神域
「神倉山」を望めること。この風景を取り込まないわけにはいきません。
「Mさん」ご夫妻はとても純朴でピュアな心を持っていらっしゃる方で
自分達の事や新宮の事をたくさん教えてくださいました。



それから 一つ気になっていたのが計画地近くの「浮島」というところ。
ここは池に島が浮かんでいるのですが、池の地盤と繋がっているのではなく
本当にプカプカ浮かんでいるのだそうです。
管理事務所のおばさんに聞いたら今は座礁!?して動かないそうですが
昔は台風などの突風が吹くと、池のあちらこちらに島が彷徨ったそうです。
島の土台を作っているのが植物が堆積して出来た「泥炭」だそうで
比重が水よりも軽いため浮いているのだそうです。

大正時代の浮島の写真が飾ってありましたが 、この頃はあちこちに
動き回っていたのでしょうね。
ペルーのチチカカ湖に浮かぶ葦の島みたいなものですね。

打合せの後、帰りの電車の時刻まで 時間があったので
ちょっと新宮の街を散策しながら、住まいの設計コンセプトの
ヒント探しに出かけました。
知らない街を無計画に歩くのは楽しいものです。
神倉神社の境内に足を踏み入れ、鳥居をくぐって階段を登ろうと思ったのですが
一瞬たじろいでしまいました。
この階段、写真で見るより実物はもっと急勾配。
途中まで登りましたが、他にも見たいところがあるし、
電車の時間もあるから。。次の機会にしようと。。諦めました。

神社から海側へ歩き出そうとした矢先、ある家の前で軒先から
写真のようなものを吊り下げているところがありました。
何だろうとしげしげ眺めていると通りがかりのおじさんが
これは2月6日の行われる勇壮な男の火祭り「お燈祭り」の松明とのこと、
この家のおじいさんが一人で作り続けてて、
出来上がると軒先に吊るすのだそうです。
Mさんのご主人もこの松明を持って参加しているんだろうな。
なんだかこの吊るし方がいいなあ。
バリ島のお盆に家々の門に飾る「ペンジョール」みたい。




それから、なんとなく海の匂いのする方角へ30分ほど歩いて 、
海亀が産卵に上陸する王子が浜へ。
松林へ入ると高架橋を通る新幹線のような轟音が響いてきます。


防潮堤に上がるとそこは黒潮が流れる太平洋。水平線の向こうはアメリカ大陸。
ポルトガルの海岸で見た大西洋の波ともまったく違います。
荒々しいというか力強いというか、もの凄いエネルギーを感じました。
清清しいパワーを熊野権現と太平洋から体中に貰ったような気分で
しばしそこに佇んでいました。
そしてこの地に暮らす人たちが本当に羨ましいと思いましたし、
この地がとても好きになりました。

住まいのイメージもコンセプトも少し見えてきたかな。
Mさんの人柄を生かした骨太だけど、シャープな家のカタチが
薄っすらと頭に浮かんでいます。

その日の遅い夕食は新宮で買ってきた「さんま寿司」。
めはり寿司は残念ながら売り切れでした。。。ご馳走様デス。

2012年1月21日土曜日

抗火石(ネオエックス)






現在工事中の「海に背を向ける家」は外張り断熱を施した1階コンクリート、
2~3階木造の混構造住宅です。

意匠上、建物の道路側壁面の一部に存在感のある自然石を使うことを考えていました。
ただ外張り断熱ですので、断熱材の上に自然石は強度の問題があり使用出来ません。

外断熱をしないで石を貼り付けると、その部分は内断熱にしなければならず
保温バランスが悪くなってしまいます。

そこで思いついたのがこの「抗火石」。
25年ほど前、ある大手企業の厚生施設を計画していたのですが、
温泉宿にあるような大きな浴槽が必要でした。
お湯を冷まさない断熱性があり、施工作業性(軽い、加工しやすいなど)のよい材料を
探していく中で、この抗火石に目をつけた使ったことがあったので、
その記憶を辿りながら調べていました。

ありました!ありました!伊豆「新島」で産出する石で「ネオエックス」という名前で
販売されてました。日本では伊豆諸島と伊豆天城でしか産出しません。
建築材料としては新島のものが殆どだそうです。
この石、軽石の一種らしい。火山のマグマが急激に冷やされ出来た石で
珪酸が主成分で内部に多くの気泡孔があるため軽く断熱性や耐久性もあります。

比重も1.0~1.5程度で大理石や御影石の約半分程度。
手に持っても軽いです。
吸音効果も耐候性も保温効果もあるため今回のプロジェクトにはぴったりです。
早速お施主様にも確認していただき了解を得ました。
採掘時期により表面の色調がことなるそうで、現在はグレーベースが主体。
外壁がライトグレー系なので上手くマッチングするのではと思ってます。

世界に目を向けても他の国で産出しているのは 、シチリアのエオリア諸島にある
「リーパリ島」のみだそうです。貴重な石ですね。

この石、現在設計中の松ヶ枝プロジェクトのエントランス廻りにも使用予定です。



2012年1月19日木曜日

「記憶の家」中間検査




「記憶の家」は本日が中間検査でした。
検査は何事も無く完了しました。

昨年9月下旬に施工した蛇籠とコールテン鋼のデザイン塀。
コールテン鋼の錆もかなり安定錆が出て、落ち着いた表情を見せています。
3月末の完成時に浮き錆が無くなっているといいのですが。。。

南側の畑は今年どんな作物を栽培されるのでしょうか?
出来ることなら「稲作」をしていただけると嬉しいのですが。。。
カメラマンに撮影していただく頃はまだ、土のままでしょうから
外構写真はちょっと後になりそうですね。

周辺にも後ろに見えるハウスメーカーの建物がどんどん進出してきて
風景が一変するのがちょっと悲しい。

和室側から見たリビング。直径30cmの丸太ががっしりと大梁を支えています。
これからどんどん作業が進んで行きます。
今週土曜日にはお施主様立会いのもと、設備機器のレイアウト確認を現場で行います。

日曜日には昨年11月からお待たせしている新宮市「Mさんご夫妻」と
お会いする予定です。
名古屋で計画を進めている「Oさんご夫妻」と年齢もほぼ一緒の若いご夫婦です。
住まいに対する考え方も、趣味もよく似ていらっしゃいます。
久しぶりにお会いできるのがとても楽しみです。


2012年1月17日火曜日

京都「然花妙院のカステラ」




カステラには並々ならぬ拘りがある長崎生まれの私。

幼い頃から小袋に入ったカステラの切り落としをオヤツにして育ってきたし、
ポルトガルのポルトへカステラの原型に近いという「パン・デ・ロー」も食べに行った。
今は福砂屋の五三焼が一番美味いかなあとも思っている。

数ヶ月前から大丸梅田店のお菓子売り場に行く度、気になっていたものがある。
それがこの「然花妙院」のカステラ。
どちらかと言えばふっくらしたカステラというよりもパン・デ・ローに近い。
パッケージもなんとなく気になるし、サンプルの断面に見える濃い黄色い部分も
気になって、気になってしょうがなかった。
もう我慢出来なくなって事務所用に買ってきた。

蓋をそっとあけてみると、なんだか手作りぽっくっていいじゃないですか!
でも中央部分が以外にぺちゃんこなんだなあ。

とりあえずカットしてみた。
本当にすごい色してるなあ。そうとう卵黄を使っているのでしょうね。
一口食べてみるとムチャクチャ濃厚な味です。
歯にくっつきます。。。。。美味しいけど。
誰かがこれは生キャラメルや!と叫んでおりました。

カステラのようだけどカステラではない!これは別物のお菓子です。
女子が喜ぶお菓子だと思います。
今順番にクライアントの皆様に試食していただいております。
まだの方は近々に。。。。


2012年1月15日日曜日

溶融亜鉛めっき リン酸処理



現在計画中の集合住宅プロジェクト。

建築予定地の周辺環境を考え、和のテイストを組み込むのですが
今回コールテン鋼とともに好きな素材の一つである、
「溶融亜鉛めっき リン酸処理」した鋼板をデザインポイントに使用する予定です。

溶融亜鉛めっきはブリキのトタン板とかバケツを想像していただければわかると
思いますが、その亜鉛めっきに化成処理をしてリン酸亜鉛の結晶被膜を
生成したものです。

下の写真がそのサンプルなのですが、淡灰色~濃灰色の安定した色合いを
表面に浮き出させ、ブリキの輝くようなシルバーを落ち着いた色に定着させたものです。
リン酸亜鉛皮膜は塗装に比べ退色や剥離がなく安定しています。

皮膜の色合いも無色のリン酸亜鉛結晶が光の反射を変化させ、
見る角度や光の量により色合いの変化も生まれます。

この素材を玄関ドアやその他のエントランス周りのデザインに使います。
存在感のある美しい材料ですので、建物全体のバランスを考えながら
この素材がより際立つようあれこれ思案中です。


それから

2月4日(土)・5日(日) ASJ京都南スタジオ主催
「第24回未来をのぞく住宅展」に参加します。

場所 イオンモール京都 KOTOホール
京都市南区西九条鳥居口町1番地

JR京都駅、近鉄京都駅に近接してますので
お近くにお越しの方は是非お立ち寄りください。

2012年1月10日火曜日

タイムカプセル





事務所宛の郵便物の中に1通の手紙が混ざっていた。
差出人は見慣れない名前。

えっ ひょっとしてあの「Sさん!?」
封を切った瞬間、僕はタイムカプセルを開けてしまった気分になった。

長崎に住んでいた40年前、高校3年生の頃、僕には憧れている人がいた。
今でもハッキリと覚えている容姿。とても素敵な人だった。
少しだけ年上で、その頃はそんな年齢の人がとても居心地がよかった。

その後、東京の大学に進学した僕はSさんに何度か手紙を書いた。
それもAIR MAILの封筒を使って。。。。。
どんな内容だったかはさすがに覚えてはいないが、
多分ちょっと恥ずかしい内容でしょう。

そのAIR MAIL封筒が幸いしたのか、Sさんの長崎の実家に
その手紙はずっと置いてあったそうだ。



今は東京に住んでらっしゃるそうで、昨年末長崎へ帰省された折、
荷物を整理する中で僕のAIR MAILの封筒を見つけられたらしい。

インターネットで検索して、僕が大阪で仕事をしていることがわかり
手紙をくださった。


最後にお会いしたのは偶然に出合った博多駅か東京駅の
新幹線ホームだったと記憶してます。



手紙を頂いてとても嬉しかった。
なんだかとても大切な宝石を頂いたような。。。



手紙を読んだ後、封筒にそっと顔を近づけてみた。
なにか40年前のあの頃の空気や匂いが残っていそうな気がした。






2012年1月9日月曜日

松弥のおせち



エル・ブリ(ブジ)のブログに引き続き今日2つ目の話題です。
正月気分も完全に終わってしまう今日、どうしても書いておきたかった内容です。

年末年始必死で仕事していた自分への褒美に、ご飯食べに来ませんか?と
西天満「松弥」の中井さんからお誘いいただいていた「松弥風おせち」を映画の後
嬉々として食べに出かけました。

何度かこのお店にお邪魔するようになって、ちょっと気が付いたことがあります。
数ヶ月に一度くらいしか伺ってないのですが、中井さんその間に僕の好みを
見抜いているようで料理がどんどん僕に近づいて来るのです。

最初はよそ行きの美しい晴れ着のようだった品々が、自宅で食べているような
といってもこんな贅沢な料理をもちろん日々食べているということではなく、
落ち着いた味というのか、何か懐かしいような暖かい家庭の空気を感じるのです。

昨年、初めて伺った時このお店と中井さんの事をブログに「料理に尖ったところのない
苦労と努力を重ねた味」、一生この人の料理を食べ続けたいと書きました。

先ほどのエル・ブリの話ではないですが、目に見えない部分の努力を絶えずされていて
自分が考える建築の在り方と何か共通する匂いを感じる人なんです。中井さんって人は。
それで他人のような気がしない。。だから家庭のようなぬくもりを感じるのかも。。。。

前置きが長くなってしまいましたが、松弥のおせちをいただきました。
なんだか、とても久しぶりにこんな贅沢なおせちを頂きました。
だから、どうしても料理を掲載したかった。中井さんを知ってもらいたかった。。。

自家製のからすみの程よい柔らかさと濃厚さ、牛肉の味噌漬けは10日ほど
寝かせてあるそうで すが、成熟した肉の旨みと味噌の風味が混ざり合い
口に余韻が残ります。

伊勢エビの身をさっとダシに通し上からその海老味噌、 ダシをかけたもの。
仄かな酸味が全体をすっきりとまとめてくれます。

本日の一番のお気に入り。白味噌仕立てのお雑煮です。
ですが、普通の雑煮じゃない!何かが違います。
炭火で炙った白子が餅の代わりに入ってました。
出汁は岡山のスッポンと白味噌。これ感動する味でした。


〆のご飯は白あまだいの焼き物と薄くそのダシをまとった赤飯を
笹の葉で包んでおにぎり風に。。そして海老汁。
海老汁は沖縄へ行くと食堂のメニューによくありますよね。

本当に美味しかった。僕にとって体中にエネルギーが満ちてくる料理です。
いずれ仕事も一段落したらクライアントの方々と伺いたいなあと考えております。

とてもおこがましいですが、僕が目指す建築と中井さんの料理の目指す方向性が
合致していたらとても嬉しいと思います。

先程、中井さんにエル・ブリの映画見に行かれませんか?とお電話したのですが
時間を作って見に行くと仰ってました。
素材追求の部分に何か感じるものがあるのではと思っているのですが。。。

明日から気合を入れて仕事に精進しよう!

El Bulli(エル・ブリ)




新年最初の土曜日、
一番目のお客様との打合せは「記憶の家」のYさん。

来週、確認検査機関の中間検査があるのだが
その後一気に工事が進むことになるため
仕上げなどの打合せを早めにしておこうと事務所にお越しいただいた。

到着された時はぐっすりおやすみだったお子様の「マー君」
途中で目が覚めてしまったが、前回(12月)会った時はまだはっきりした言葉を
しゃべれなかったのに今日はいきなり普通の単語がポンポン飛び出して
もうびっくり!子供はある日、突然視界が開けるように急に「ヒト」らしくなったりする。
ご両親にはわかる言葉も僕には何を言ってるのか解らず
モヤモヤしていたが、やっと僕にも会話の仲間に入れそうです。

夕方、年末年始まったく休まず仕事をしていたので今日はちょっと
リフレッシュするぞと、見たかった映画と誘われていた食事を楽しんだ。

いっぺんにブログには書けないので、まず映画から。。。

映画は梅田スカイビルにある「梅田ガーデンシネマ」という世界の佳作を
よく上映している小さな映画館でタイトルは、「エル・ブリの秘密 
世界一予約のとれないレストラン」というスペイン バルセロナ郊外
コスタ・ブラバにある「エル・ブリ」を舞台にしたドキュメンタリータッチのもの。

2011年7月惜しまれながられレストランとしては閉店したが
2年後に料理研究財団として新たに生まれ変わる。

総シェフであり共同経営者であるフェラン・アンドリアの独創的な料理を
楽しむレストランとして、世界中から年間200万件の予約希望者が殺到。
しかし食事をゲットできるのは一日50人で年間延8000人のみ。

一年のうち4月から10月まで営業し、残りの半年は新しいメニュー開発のために
休業するという、料理人としてはある意味理想的な環境かもしれない。

料理はコース仕立てでその皿の数は35~40種類になるという。
写真はその一部。


もともと料理と建築はある部分でとても類似しているところがあるというのが
僕の持論ですが、この映画を見て確信を得ました。
試作担当の主任シェフたちが、シーズン閉店後、料理機材をバルセロナにある
研究用アトリエに持ち込み、素材そのものの可能性を日々研究開発する姿は
建築と合い通じる部分だと思う。
その研究開発している過程や結果をすべて記録し、写真に収めファイリングしていく。
料理を作るというよりも、理科室で実験をしているようなものなのだが
一つ一つのアイデアがそれぞれのパーツを構成する重要なファクターとなり
最終的には複合されて完成された一皿を生み出す。
凄いのはそれが35皿以上もあり、営業中にもどんどん進化していく。



そんな料理作りに批判も数多くあるようだが、支持する料理人も数多くいる。



建築も空間を考える上で、その場所にしか存在しない建物を作ろうとすると

あらゆる素材の検討が必要になるし、その材料がその場所、建物、そこを使う人たちに

マッチングしているのか調査、実験を積み重ねる必要がある。


同じ材料を使い続けて具体的な結果を得るという方法もあると思うが

その場所に一番ふさわしいモノ、素材は何なのか?

真摯に向き合いあらゆる可能性を検討しながら結果を導き出すこと。

この映画を見てより一層精進することを再認識させられた。


写真はすべて映画パンフレットより撮影。

1月20日まで上映中です。


映画を見終わったあと、日夜自分の料理とは何かを

追い求めている西天満「松弥」の中井さんのところへ伺った。

その内容は後ほど。。。。。

2012年1月4日水曜日

秘密の京都



昨年の暮、「海に背を向ける家」の奥様から京都が好きだったら
読んでみてと1冊の文庫本をいただいた。

入江敦彦さん著「秘密の京都」という本だ。

ご夫妻は京都に住まれていたこともあり、この街には特別の思いも
持ってらっしゃる。

すぐに読もうと思ったのだが、バタバタしたまま読めずにいた。
年始の夜、やっと時間が取れたので読み始めた。
そんなに分厚い本でもないのに結構読み応えがありました。

読み始めてみると、京都に出かけながら何食わぬ顔をして通り過ぎてた大路や小路。
通りや寺社仏閣にこれほど色々な物語があるとは思わなかった。
確かにそこら辺りの街とは歴史が違うもんなあ。
一つ一つに浸み込んだ長い時間の経過がある。
解説していただくと色んなものが次から次へと打出の小槌状態。

京都は奥が深いから。。。と、なんとなく目だけ流していた通りには
「よそさん」にはわからぬ京都の素敵な闇が潜んでいて
奥へズッズッーと入っていくと、観光客には見えない京都人の生活そのものがあり
その一つ一つを丹念に洗い出し解説してくれる。

この本に登場する幾つかの場所、お店は尋ねたことがあるももの
点と点を結んで京都を散策してきたような気分になっていたのが
お恥ずかしい。

次に京都へ行く時は料理屋ばかりに直行しないで早めに街へ到着し
今回はこのエリアと場所を定め この本を片手に街を歩いてみよう。
僕にはどんな京都が見えてくるのか楽しみだ。


「秘密の京都」
入江敦彦著  新潮文庫


2012年1月1日日曜日

謹賀新年




2012年、新年明けましておめでとうございます。

ブログを読んでくださっている皆様、本年も宜しくお願い致します。

元旦の朝、今年は色々お世話にならなければならない「天満宮」へ
初詣に出かけました。
さすがに大勢の参拝客でごった返しております。
天気もよく気持ちのよい朝でした。

手を清め、僕も含め「皆様が幸せであるように」お願いを致しました。

今年始動する天満宮プロジェクトはこの境内の建物の後部になります。
高いところになるけれど部屋から「天満さん」が拝めます。

おみくじを引いてみました。おお!縁起よく「第十一番 大吉」でした。
「おもうままなるべし」とありました。幸先がいいですね!
商業 「遠方の取引が多い」と書かれていましたが、
確かに名古屋市や和歌山県新宮市など、
今まではなかった少し遠方に仕事が広がっていきそうです。

建築予定地をバックに大吉をパチリ!





今年こそ日本中が復活の年になって欲しいものです。

そして、今年は年男だし僕も進化しないと。。。