2014年3月31日月曜日

へンコ



明日から新年度が始まります。
消費税も上がって、世の中はこれからどのように変化するのでしょうか。

建築の世界はまだまだ忙しない日々が続いておりますが、
どこかでパタリと仕事が止まるかも知れません。
特に関西はそれほど景気がいいようには思えませんので、
実をいうと内心かなり焦っています。

来年以降の仕事の状況を考えると、
左団扇でやっていくほど、受注残があるわけではありません。
ある日突然、仕事が切れてしまうこともあり得ます。

(完成間際の芦屋・眺めを楽しむ家・また次に繋がればいいのですが。。)















昨年秋に建築家プロデュース組織を、肌に合わないこともあり
思い切って退会しました。

これから先は今までの実績だけで、世の中を渡って行かなければ
なりませんが、今更やり方を変えても上手くいくとは限りませんし、
今まで通りにクライアントのために、一生懸命尽くすしかないかなと
思っております。

私の周りには建築に限らず「ヘンコ」と呼ばれる人たちがたくさんいます。
そのほとんどが「モノ作り」をする方々です。
料理人・陶芸家・家具作家・写真家etc。。。
彼らを見ていると決して裕福とは言い難いですが、とても「豊か」です。
人生を楽しんでます。そして年齢に関係なく崇高な目標を持っています。

僕も誰にも負けない「心の豊かさ」をずっと持ち続けたいと思います。

今日は60代後半のクライアントご夫婦と、午後からずっと打合せというか
雑談メインのお話をしておりました。
新しく手に入れられたイギリス製のオープンスタイルのクラッシクカーで、
日本国内をあちこちお出かけになっておられるようですが、
若い恋人同士のような会話がとても素敵でした。
お話を終えて玄関を出ると、庭の七分咲きの大きな桜の木が
目に止まりました。

満開ではなくまだ枝や蕾が見えるこの桜の立ち姿が、
背筋をぴんと伸ばし、まだまだ先を目指す「明日の僕」のような
気がしました。




2014年3月27日木曜日

白熱する論議



写真は「新しい京都時間の佇まい」で使用予定の
天然木ツキ板のサンプル。
玄関からリビングへ入る入口周りを、天然木のツキ板パネルで
構成するのですが、その素材をどんな木にするか検討するために
用意した見本です。

左上から時計回りに「マコレ」 「マホガニー」 「ウォールナット」
「サペリ柾目」「リアルテックサペリ柾目」 「ホワイトシカモア」
濃い色と薄い色の2色に色分けしてますが、
薄い色は素地の色、濃い色は「エゴマ油」を拭取り仕上げにしたもの。














それぞれに美しい色なのですが、内装の基本色がホワイト系になるため
空間のアクセントとして使用します。
床も600角鏡面仕上のストーン柄のタイルなので、
マッチングする色合いを見極めるために2ヶ月ほど前から
色々なサンプルを集めてお施主様と検討中です。




























リビング・ダイニングの完成予想CG。
天井は高いところで5.5m。
リビングの中空を水回りのある南エリアから
個室が集中する北エリアへブリッジが架かっています。
そして、リビングの床下には地階が広がっています。

中庭には円形の浅い水盤と旧建物の庭にあった
座禅石でミニマムな空間を作りますが、
ポルトガル産の600角タイルが和テイストの中庭と
どんな風にマッチングするか、また庭の照明が
ブラック系のタイルの表情をどんな風に
引き出してくれるか今からとても楽しみです。

現在の状況は、構造体が組み上がり、屋根下地
外壁下地の施工中。
完成予定は9月末です。

私どもでデザインした「BW-H」の仕上がりに興味を抱かれ、
設計のお話を頂きましたが、とても住まいに拘りを持たれた
クライアントですので、毎回白熱した論議が続きます。
今日の工程会議も4時間以上。。。。。
お客様の熱意に答えなければいけません。。。。

今週土曜日にはこれまた拘りのゲストハウス
「削ぎ取られた風景」の定例会議。
明日は一日その準備です。

2014年3月26日水曜日

竣工検査合格



本日は芦屋市の山手で工事を進めていた
「眺めを楽しむ家」の竣工検査でした。
何事も無く、無事合格。。。。

まだ、外構・植栽等が残っていますが、
4月中旬引渡しに向けて工事が急ピッチで進んでいます。
写真は2階廊下からリビング側を写したもの。
階段を上がってくると次第に芦屋・神戸方面のパノラマが
大きなFIX窓の向こうに広がります。

インターネットコンペで私達が選ばれて計画が始まり、
途中色々な事もあり、足掛け3年近くのプロジェクトになりました。
しかし、最初に伺った時の足元に広がる夜景の美しさは忘れられません。
その夜景を特別に楽しむ部屋が新しく3階に用意されていますが、
まだ僕もその部屋から夜景は見ておりません。
引渡し直前にお施主様とご一緒に見てみたいと思ってます。
浴室も展望バスになってて、バスタブに浸かりながら
夜景が楽しめます。


















日当たりが抜群で、リビング床も600角タイルということもあり、
全体的な色調はグレイベージュにして大人の雰囲気を演出しています。

今月中にはB&Bやアルフレックスの家具が入り
桜が満開になる日に合わせて撮影を行なう予定です。

ボチボチインテリアの設えを考えないといけませんね。
さあこれからどんな生活が始まるんでしょうか?
楽しみですね「Tさん」

2014年3月24日月曜日

大忙しの週末


連休の週末、土曜日の午前中は京都・伏見区淀で進めている
イタリアンバールの地鎮祭でした。
店先でイタリアンな惣菜も売るし、一般客席以外にスタンディングな
シェフズカウンターもあるバールです。
これは設営中の写真。
午後から長崎へ向かう飛行機を予約していたので、
式が終わり次第、速攻で伊丹空港へ!


















長崎へ到着して、そのまま中学時代のバレー部同窓会へ出席。
仲間とは何度か会ったりしてるけど、今回お越し頂いた先生お二人の中の
M先生は美術の先生でバレー部のコーチもされてました。
僕はそのM先生と一緒に作った中学2年の課題がきっかけで
インテリアデザインに興味を持つようになり、
それから建築へと進んで行くことになりました。

そのことを初めて先生に打ち明けたのですが、
残念ながら先生、そのことあまり覚えて無かったなあ。
45年以上前の少年一人の心の中の事だもの、
覚えてるわけないだろうね。
みなさんの写真載っけちゃいましたけど、許して!














深夜まで飲み明かした翌日の日曜日、両親の墓参りを済ませ
夜は唯一の姪っこの大学入学祝いと成人式のお祝いを兼ねて
長崎市崇福寺近くにある「プルミエクリュ」というフレンチへ。

1年前に合格していたのですが、熊本の大学に入学したものだから
なかなか会えるタイミングが無くて、ずっとお預けになってました。
成人になったこともあり、さすがにこれ以上延ばすわけにもいかず
色々なイベント事と合わせて今回の食事会になりました。
藤色のお店のファサードがパリっぽいですね。


















このフレンチのシェフはBSで放送されている「皿の上のスペシャリテ」という
料理人を特集した番組を偶然見て知り、昨年夏に一度訪れました。

長崎と言う土地柄、なかなかちゃんとしたフレンチレストランが無くて
やっと安心して食べられるお店に巡り会いました。
納得のいく料理を作るために、現在は一日2組までしかお客さんの席を
用意しないそうです。
本日は僕達だけ。。。僕のまわり、そんな店多いな!
お店のために少しだけ料理を載せておきます。

フランス産アスパラとオマール海老、アスパラのジュから作ったソースが
なかなか美味しかった。














五島列島産のアマダイに同じく五島のムラサキウニ、
そしてイカ墨で作った網。。。正式な名前忘れました。















そしてディセールはバナナのパルフェ、美味しかったです。














女医先生をめざしている彼女、挫折しないで何とか頑張って欲しいデス。
叔父としてはなあ~んの役にも立たないけど、
美味しいもの食べたくなったら連絡してきなさい!

翌朝、九州新幹線に乗ったことがなかったので「さくら」に乗車して
大阪へ。。。車中ではずっと仕事してましたよ。。。

2014年3月17日月曜日

MISTY


日曜日、神戸市東灘区岡本で進めているリノベーション工事の現場打合せ。
普通であれば木造住宅1軒は軽く建つであろう規模のリノベーション工事です。
時間をかけて打合せする余裕はないから、時間を作っては打合せです。。。

このところ常に後ろから追いかけられているような仕事状況で、休日にちょっと
休憩もしたいと思っていたのですが、打合せが予想以上に早く終わったので
夕方からの所用まで時間が空いた。

着替えをするために自宅へ戻ったのだが、3時間ほど時間が取れたので
珍しく自宅で住宅プロジェクトのドローイングをすることに(休息にはなってないけど)。
一人自宅でこんな時間を過ごすのは久しぶりだが、プロジェクトイメージに近い
音楽を聴きながらとBGMに選んだのはJAZZです。

1枚目はオランダ人無名ャズピアニスト Jos Van Beest の 
「Because of You」 というアルバム。




























なかなか聴きやすい耳障りのいいピアノトリオです。
よく聴いてみると、大好きな日本のジャズピアニスト「山下剛」に似てる。

JAZZに目覚めたのは僕が高校生の40数年前。
親には受験勉強をしているように見せかけながら、
ほとんどラジオの深夜放送を聴いていた頃。
マイルス、コルトレーン、ボサノヴァのスタンゲッツなどのプレイを
必死に聴いてた。

大学に入って間もないくらいから、東京のあちこちのジャズ喫茶へ出かけていたが
社会人になったばかりの頃、ジャズクラブで耳にしたのが山本剛の「MISTY」。

六本木の防衛庁(今はミッドタウンになってますが)近くのビル地下1階にあった、
この曲名と同じ「MISTY」というクラブ。
螺旋階段を降りていくと、彼が背中をまるめてこの曲をピアノソロで弾いていた。
そのメロディと独特の雰囲気にゾクゾクして、いっぺんに彼のファンになった。
カッコよかった。。。。。本当にカッコよかった。。剛さん。。。
写真はそのアルバム「MISTY」
そのクラブへ通っていた頃にお店で録音されたようです。




























このアルバムの見開きの写真、まさにその彼がクラブ「MISTY」で
エロル・ガーナー、バラードの名作「MISTY」演奏中の写真!

それ以来、ずっとJAZZを聴いてる。
アトリエも一日中JAZZを流してる。スタッフはどうかわからないけど
僕はJAZZが流れていると仕事が捗ります。

あっ、そうそうプロジェクトのドローイング。。。
忘れてました。ずい分と捗りましたよ。
写真は聴き始めの頃にイメージした初期ドローイングです。。
スケッチブック1冊使い切り。。。。

2014年3月9日日曜日

敦賀へ向かう



週末、実施設計中の「Linea parallela」 施主打合せのため福井県敦賀市へ。

サンダーバードの車中から見える奥滋賀の風景はまだ冬の真っ只中。














関西の南端近くである和歌山県新宮市でも設計中の住宅があるのですが、
そちらの風景はハイビスカスやブーゲンビリアが露地に植えられてたりする。
本当に真逆で、敦賀も近畿経済圏として考えると、
関西ははこんなにも広いのかと驚く。

今回は着工を4月下旬に予定しているので、確認事項の最終チェックが目的です。














玄関に立ったとき窓や出入口などの開口部を一直線になるように配置し、
中庭のシンボルツリーとなるサトウカエデのライトアップされた姿が
玄関ドアを開けた瞬間、目に止まることで空間の奥行き感を演出しようと
目論んでいます。
また、リビングと中庭を挟んでレイアウトしている洗面脱衣・浴室のガラスは
外部からまったく見えないので、すべて透明にしリゾートホテルのような雰囲気と
リラックス感を演出しようと計画しています。
洗面のアウトドアデッキにはレインシャワーを設置する予定です。
まだまだ他にも色々仕掛けをしていますが、そちらは完成時のお楽しみに。

もうすぐ3歳になるRちゃんは僕が新しい家を持って来てくれると思っているらしく
山口さんが敦賀に来るとおうちが出来上がる!と喜んでいるそうです。。。。
Rちゃん、ゴメンナサイお家まだやねん。。。。

打合せの後、美味しいお魚を食べさせる店として敦賀で評判の割烹へ。


















































金沢に住んでたこともあり、甘エビはあまり食べないのですが
このお店のは鮮度がよく美味しかった。
地の魚の焼き物や魚を入れた炊き合わせも美味しかったです。
いつもいつもご馳走になってスミマセン。

今回もサンダーバード乗車時間ギリギリまで、しゃべってて
駅へ到着したのは2分前でした。
でも、とても楽しかったですよ。

次回の打合せでまとめないといけませんね。。。
でもまだちょっと悩みたい。。。。デス!

2014年3月2日日曜日

2つのプロジェクト



ほとんどの週末は住宅系クライアントの方々との打合せを予定しています。
時期的に相当数のプロジェクトが同時進行していますので、
日程調整をしながら、平日に打合せのための準備(資料請求、サンプル準備
取引先との打合せ・作図等々)をしています。

スタジオクランツォではすべて異なるタイプの住宅設計をしていますので
準備はそれなりに大変です。
よく混乱しないですねと言われますが、基本的にスタッフは地域別に担当を分けて
仕事を受け持っていますので、とても忙しいですがそれなりに対応はできてます。

一番大変なのは僕自身ではないかと思います。
すべてのコンセプト・基本デザイン・模型制作は私の担当なので
私が一番混乱しているかも知れません。。。。

昨日、土曜日はやっと許可がおり着工した「削ぎ取られた風景」の打合せ。
地中まで含めると4mにもなる擁壁工事がスタートしています。
近隣の皆様のご協力でスムーズに工事は進捗しています。
ただ、古い土地でしたので、予想外に既存の擁壁工事が甘くて
補修・撤去・新設などの付帯工事が増しています。
頭の痛いところです。

































日曜日は「新たな京都時間の佇まい」の施主打合せ。
設計図書から変更になった部分、これから変更したい部分等の
見積増減・デザイン案の再提出、使用材料の再確認などなど
打合せ項目が目白押しです。
あらかたの基礎工事は完了しましたので、もう間もなく建て方
上棟と工程は進んで行くのですが、時期的に職人さん達が手薄で
工程調整が必須です。

写真はアプローチ付近からリビング・ダイニング方向を見たものです。
左右にガレージが並びアプローチには床埋め込み照明が玄関へと誘います。
中央はリビングの直下にある地下1階。しっかりと防水・断熱をしてあります。
一番奥にも庭を作り、比叡の山から吹いてくる「よい気」を含んだ風を
屋内に取り込む計画です。

下の写真はリビングスペースから敷地西側にある中庭を臨む風景。
高さ2.4mの打ち放しの 塀が立ち上がっていますが、
この壁には600角のタイルを貼ります。
床も600角のタイルですが、ここに旧家屋の庭に置かれてた
「座禅石」をディスプレイし、傍に常緑株立ちの「ヤマボウシ」を植えます。
その根元から小さなせせらぎを作り、コンクリート壁が終わるあたりに出来る
小さな円形の水盤へ水を流す予定です。
歴史を受け継いできたものと、新しく用意する素材の組み合わせとの
妙味を楽しむ空間ができる予定です。




























2つのプロジェクトともまだまだ時間がかかるプロジェクトですが
楽しみながら向き合っていきたいと思っています。