2018年4月17日火曜日

「街のサナーレ」を訪ねて




日々の仕事に追われ、なかなかブログを書く時間がありません。

今年は少し仕事をセーブし、じっくりと考える時間を作りたいと思っているのですが。。


先週末、母親の33回忌と中学時代同窓会があるため、長崎へ帰りました。

長崎へ帰る前に寄り道をして見学したい建物もあったので、
思い切って金曜日から3連休することにしたのです。

どうしても見学したい建物は佐賀県伊万里市にある「街のサナーレ」という施設。

「人生フルーツ」という津端修一さんご夫妻の日常を撮り続けたドキュメンタリー映画も中に
最後に搭乗する建物です。

90歳で亡くなられた津端さんが人生最後の建物として、
無償で計画された木造の建物達で、
以前からその依頼があるかのように、構想を密かにあたためられてようで
わずか二日で草案をまとめられ施設関係者に渡されたそうです。

それから2か月後、津端さんは眠るように逝かれました。

映画の中ではそのスケッチだけが紹介されただけでした。
なので、出来上がった建物を是非見学したかったのです。

穏やかに晴れた日電車を乗り継ぎ、
少し海の湿り気のある風に吹かれながら
「街のサナーレ」へ到着しました。

































施設内にあるカフェで少しやすんで、建物をじっくり眺めていました。
目を閉じると津端さんご夫妻の声が聞こえるような気がするし、
津端さんの胎内にいるような不思議な気持ちになります。

トップライトから優しい光が落ちる空間は、
そこにいるだけで涙が溢れそうになります。



























普通の空気が流れ、当たり前の時間が過ぎることが、
こんなにも美しく素敵な事なんだと、あらためて思います。

ぼんやりとその雰囲気に包まれていると、
しばらくして施設長の方が声をかけて下さいました。

空間の中に溶け込んでいたので、すぐに声はかけられなかったそうです。

施設長に案内して頂き、敷地内のいくつかの建物を見学させて頂きました。
施設と周辺の街とは隔てるものが何もないため、
近所の方や幼稚園児、小学生らが普通に敷地に入ってきます。
それを見ていて、建物の配置も含め、開かれた空間の在り方が
とても自然で穏やかで、違和感なくと溶け合うのが素晴らしいと思いました。

津端さんが長い間突き詰めておられた理想の人間関係が
そこにあるように感じました。
そのことを理解して施設を作られた病院関係者の方々の
信念も素晴らしいと思います。

心温まる素敵な一日でした。